「2015年11月の読書リスト」

あああ、今年も終わってしまう。

生活が楽になる見通しもない。もちろん、私みたいな生活力に乏しい「中年男子フリーター」みたいな人間に恋を囁く、奇特なオンナもありゃしない。

遊びたくても、オシャレをしたくても、はたまた諸々の活動をしたくても、先立つものがなければできないものである。

いやいや、仮に先立つものがあったとしても「頭が悪い」「いい年こいた人間である」というだけで、NGOだのいろんな活動から爪弾きされる人間は存在する。

SEALDsはじめいろんな「ワカモノ団体」が活動をしているが、彼らが「仲間」と認めているのは、自分と同世代の人間か、あるいは自分と同等、それ以上の能力を持っている人間だけである。これらの活動に興味を持っている人にご忠告。あまり能力がないのにこれらの活動に関わっても、ちっとも面白くない。意見を言っても他の会員からバカにされるのがオチだし、最悪会費だけ取られて、意見はまるで通らない、ということも大いにあり得る。

そんな私は、今年のクリスマスも「シングルベルで苦しみます」確定である。

さて、今月読んだ本の紹介。

コミックを1冊も読まなかったのはこれまであったかな?記憶にないのだが……

 

小澤征爾さんと、音楽について話をする (新潮文庫)小澤征爾さんと、音楽について話をする (新潮文庫)

読了日:11月11日 著者:小澤征爾,村上春樹
モア・リポートNOW〈1〉性を語る 33人の女性の現実 (集英社文庫)モア・リポートNOW〈1〉性を語る 33人の女性の現実 (集英社文庫)

読了日:11月12日 著者:
経済学がわかる。 (アエラムック (1))経済学がわかる。 (アエラムック (1))

読了日:11月19日 著者:
声優魂 (星海社新書)声優魂 (星海社新書)

読了日:11月20日 著者:大塚明夫
時空(とき)の旅人―とらえられたスクールバス〈前編〉 (ハルキ文庫)時空(とき)の旅人―とらえられたスクールバス〈前編〉 (ハルキ文庫)

読了日:11月26日 著者:眉村卓
モア・リポートNOW〈2〉女と男 愛とセックスの関係 (集英社文庫)モア・リポートNOW〈2〉女と男 愛とセックスの関係 (集英社文庫)

読了日:11月28日 著者:

小澤征爾さんと、音楽について話をする

小澤征爾と村上春樹という、クラシック音楽と文壇の巨人による対談集。「マーラー」「オペラ」「バーンスタイン」「グレン・グールド」というテーマについて、二人は縦横無尽に語り尽くす。あるときはレコードを聴きながら、あるときは村上の仕事場で。この二人にとって、バーンスタインの存在は大きいようだ。小澤征爾の若手音楽家に接する姿勢やリハーサルの仕方は、ほとんどバーンスタインのやり方をまねていると言っていいだろう。文庫化にあたり、日本を代表するジャズ・ピアニスト大西順子が、小澤指揮のサイトウ・キネン・オーケストラと2013年9月に共演したときの顛末が追加収録されている。 大西はこの公演の直前に引退を表明し。音楽とは関係ない仕事に就くことが決まっていた。ところがこの演奏を引き受けたことで、彼女はその仕事を断られてしまう。村上は淡々と事実をふり返るが、おそらく内心では、彼女ほどの実績を持つ人間が正当に評価されていないという憤りを感じているに違いない。

モア・リポートnow(1)性を語る33人の女性の現実

1980年・1981年に実施された「モア・リポート」の第二弾。1987年に実施されたアンケートには、13~61歳の1987人から回答が寄せられた。質問項目は47件と、前回よりは多いかな。影響を受けたものについて「モア・リポート」をあげる人をちらほらを見かけたのは、それだけ「モア・リポート」での質問項目が、社会に与えた影響が大きかったということなのだろうか。前回同様周囲の無理解、夫のSEXに不満を持つ女性が多数。第1回アンケートでも思ったが、女性も普通にオナニーをするのだな。それで普通に快楽を得ている人が多数いることを、世の男性はどれほど知っているのだろうか。この本を読んだあとに街中を闊歩している「キャリア女性」の姿を見ると、人知れずオナニーをしているのか?と邪な創造をしてしまう。こんな私は変態だろうか?「自分はお金のために結婚した」という女性が登場したのも、時代を感じさせる。====

経済学がわかる

1990年代~2000年代初頭に賭けて刊行された「AERAムック わかるシリーズ」の第1巻。折に触れて何度も何度も読み返しているが、読むたびに新しい知見を得られる本はそうそうない。この本はそんな一冊である。そして何度読み返しても最初に来る感想は「経済って、やっぱりわかりにくい」ということ。わかりにくいのも当然、現代経済学で頻繁に使われている言葉の大部分は、物理学で使われる用語が多いのだそうだ。そう考えれば現代経済の理論の多くも、物理と密接な関係がある数学の理論を使って分析される事象が多いことに納得できるだろう。こうなると経済学は「文系」?それとも「理系」?いいえ「文系」も「理系」もどちらからでもアプローチが可能な、立派な学際学であると考えただけでも、どこか胸がわくわくしませんか?今から20年前の第一線の経済学者が何を考えていたかを知りたい人にはお勧めしたい。もっともこの一冊で「経済学がわかる」ようにはならないのがつらいが(苦笑)

声優魂

声優界の大御所・大塚明夫が声優業界の現状及び、声優志望者に対する覚悟があるのかどうかを語った書。「声優だけはやめておけ」というキャッチコピーや、本書の中で延々と述べられる、自慢話が混じった説教にむかっと来る人も多いだろう。しかしここは目をつぶって30年以上にわたり、この業界で悪戦苦闘してきた彼の話にじっくりと耳を傾けて欲しい。この業界は「ハイリスク・ローリターン」であり、それ故腹が据わった、覚悟を持った人間以外は絶対のぞいてはいけない業界である事がわかるだろう。逆の見方をすれば、安直に対した努力をしないでスターになりたいと思っている「若手声優」や「自称『声優』」「声優の卵」に対する苦言と諫言が混じった一冊ともとれる。そして忘れてはならないのは「声優」も「俳優」なのだということ。「他人」を演じるということは、生半可な覚悟ではできないということなのだ。タイトルこそ「声優」という名がついているが、この本は一種の哲学論であり、人生論でもあるともいえる。本気で声優を目指したいのであれば、彼が吐く魂のこもった言葉の数々に耳を傾けて欲しい。

時空(とき)の旅人ーとらわれたスクールバスー(上巻)

日本を代表するSF作家眉村卓が1981~83年に発表した「とらわれたスクールバス」を、1986年にアニメ化する際に改題して再発行した作品。サイトに掲載されている写真は「ハルキ文庫」から発行された書籍だが、私が今手元にあるのは1980年代に角川文庫から発行された、萩尾望都がキャラクターデザインした表紙である。奥付を見ると「昭和61年発行」という懐かしい日付が。そう、この本はあの悪名高い「消費税」というのが存在しなかった時代に私が購入した本なのだ~…などと感興に浸っている場合じゃないなw

物語は22世紀からやってきたという少年が、主人公たちが通う学校のスクールバスにあやしげな装置を取り付け、これを操作するところからはじまる。彼はあることで当局から追われており、戦国時代に逃れるのだという。たまたまバスに乗り合わせていた生徒たちは少年の不遜な物言いに反発を覚えるが、彼と一緒に現代→戦時中→昭和15年→幕末と時間旅行をするうちに、奇妙な連帯感が目覚める。上巻に出てくる時代は、現代でいえば「空気を読まない人間は仲間はずれにするぞ」という雰囲気が強かった時代だが、これは少年が過去に逃げようとする原因である。さて、その理由とは?昭和15年からの時間旅行は、「危険思想の持ち主」として当局から指弾されていた社会学者が、彼らの指南役として加わる。彼らの時間旅行の行方はいかに?

モア・リポートnow(2)女と男 愛とセックスの関係

3分冊で文庫本化された「モア・リポートnow」の第二弾。前回のアンケートから7年経つが、夫・恋人のSEXについての不満は尽きることがない。「夫とのSEXより、それ以外との男性とのセックスの方が燃えるし気持ちがいい」という意見がある一方で、愛情に裏付けされたセックスを求める女性の声が目立つようになってきたこと。そして前回はわりと興味本位でセックスの話題を取り上げたが、今回のアンケートでは、社会学的な視座から「男と女」「愛とSEXの関係」を考察しようという視点が見られること。その心意気は立派だとは思うが、見方によっては編集死の主観的な視点が混ざっていると思われるところも見られる。あなたはSEXに「愛情は必要」だと思いますか?因みに、管理人は別に愛情がなくてもSEXはできると思っているは。理由は、「愛」だけでは生活が成り立たないと思っているから。こんな私は異常だろうか?

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「2015年10月の読書リスト」

気がつけば、今年もかレンダーがあと2枚という時期になった。本当にあっという間である。

「あっという間」といえば、この国の「戦前化」も急スピードで進んでいる。先日も某書店チェーンが企画したフェアに「ネトウヨの抗議が殺到し、フェアが中止になる事態に追い込まれた。新聞を見ていたら、戦前の様子を知る人が

「言論統制は『上から』ではなく、国民が上の意向を忖度することからはじまる」

という趣旨のコメントを出していたが、これは本当だと思う。戦後に戦線拡大の責任を問われた旧日本陸軍幹部が

「君たちがさんざんあおったからではないか」

と答えたそうだが、これは本当だと思う。今の風潮に、メディアが手を貸しているのは間違いない。

それでは、先月読んだ本のご紹介。

先月は結構読んだな。

集団的自衛権はなぜ違憲なのか (犀の教室)集団的自衛権はなぜ違憲なのか (犀の教室)

読了日:10月3日 著者:木村草太,國分功一郎
早大を出た僕が入った3つの企業は、すべてブラックでした早大を出た僕が入った3つの企業は、すべてブラックでした

読了日:10月4日 著者:小林拓矢
モア・リポート―新しいセクシュアリティを求めて (集英社文庫)モア・リポート―新しいセクシュアリティを求めて (集英社文庫)

読了日:10月13日 著者:
美しい国へ (文春新書)美しい国へ (文春新書)

読了日:10月20日 著者:安倍晋三
ちはやふる(29) (BE LOVE KC)ちはやふる(29) (BE LOVE KC)

読了日:10月21日 著者:末次由紀
楽園のカンヴァス (新潮文庫)楽園のカンヴァス (新潮文庫)

読了日:10月27日 著者:原田マハ

集団自衛権はなぜ違憲なのか?

「報道ステーション」コメンテーター(月曜日担当)でおなじみの、新進気鋭の憲法学者による最新刊である。筆者はこの本では、安倍内閣が推し進める「安保法案」の危険性について、わかりやすい言葉で解説している。「本を燃やそうとしている人間は、いずれ自国の憲法を燃やそうとするだろう」という言葉にはゾッとさせられるが、この内閣がこのまま安保法制を強引に推し進めようとすると、早晩国内外で立ちゆかなくなるのは、火を見るより明らかなことである。「法的解釈の安定性」についての意見は必読。この概念を否定するということは、条約の解釈すら自分たちの都合のいいように解釈する可能性もある。それは諸外国との外交関係にも重大な齟齬を来す可能性にもつながるということを、筆者は指摘する。だがほぼ全員が「知性を持つ者」に反感を抱くこの政権は、自分たちの都合の悪いところにはとことん頬被りを決め込むだろう。「この道はいつかきた道」にならないことを祈るしかない。

早大を出た僕が入った3つの企業は、すべてブラックでした

自らのことを「氷河期世代を代表するフリーライター」と自称するライターの、初めての単著である。

ただし、これを今問題の「ブラック企業で働き、身も心もボロボロになって退職した人間が書いたルポルタージュ」と思って読んではいけない。「自分は苦労して早稲田を出たのにまともなところに就職できず、生活のためにやむを得ずこんなちんけなところに就職した。だがそこは自分が思っていた会社ではなく、周りがバカだから自分の考えている仕事が何一つできない。だから悪いのは自分ではない」という恨み辛みを、延々と書き連ねているだけの駄本である。「ブラック企業」と思っているのは本人だけ、むしろ私は、彼みたいな人間を「一人前の社会人」に育成しようと奮闘していた、上司や先輩の苦労はいかばかりかと思ってしまうのである。====

モア・リポートー新しいセクシュアリティを求めて

先日このブログでも紹介した「モア・リポートー女たちの生と性」の後半。このアンケートには、5,000人を超える読者から回答が寄せられた。この本からは、彼女たちが「性」について思うところを、自分たちの言葉で赤裸々に語っている。興味深いのは「オーガズム」についての部分。彼女たちの意見を読んでいると、巷に溢れている官能小説の性表現が、以下に陳腐でいい加減であるかということが実感できる。オトコが想像する「性」とオンナが実感する「性」とのギャップ。そして彼女たちの多くは、世間や多くの男性が求めているものと、自分たちが求めているものとのギャップに苦しんでいることがわかる。初回のアンケートから30年あまり。この企画に協力してくれた女性たちは、30年前の自分をどう思っているのかを知りたい。

美しき国へ(2006年版)

現総理・安倍晋三の第一次内閣発足時にあわせて発行された新書。現職の総理大臣がこのような新書を出すのは極めて異例であり、当時はかなりの売れ行きがあった。時の総理が何を思い、現状をどう認識しているのかをしりたくて買った人が多かったと思うのだが…この本で書かれている内容に失望した人は多かっただろう。彼の思考を一言でまとめれば「日本大好き、祖父大好き」。時代はグローバル化が進んでいるのに、今だ「国ありき」という思考回路。経済でも環境でも「一国」だけで解決できない時代を迎えつつあるというのに。それにしても、この本で書かれていることと、国会答弁における対応があまりにも違いすぎる。この本は「俺は世間一般でいうところの『極右』じゃない」とアピールするだけに存在している?だとしたら、ネット上における評価が両極端なのも納得。

ちはやふる(29)

表紙にヒョロがでていることからもわかるように、この巻は「ヒョロの、ヒョロによる、ヒョロのためのエピソードが満載である。自らが弱いと自覚しているからこそ、下級生の心に寄り添い、彼らを一人前の戦力にする。彼の存在は「リーダーのあるべき姿」といえるかも知れない。そして「札全部が真っ黒に見える」といっていた太一にも復活の兆しが。だがかるた部をああいう辞め方をしたことが彼の負い目になっているようだ。千早たちに勝利の女神が彼らに微笑んだのは、まさに奇跡としか言い様がないが、このままでは全国大会で赤っ恥をかくのは確実。ここからどうやってチームを立て直していくのだろうか?そして詩暢の「かるたのプロになりたいんや!」という叫びが痛々しい。彼女の願いが叶えられますように。

楽園のカンヴァス

19世紀フランスの画家アンリ・ルソーの晩年の傑作「夢」にまつわる背景を主題にしたミステリー小説。ルソーが描いたという絵画「夢を見た」の真贋鑑定を、絵画コレクションの世界で有名なコレクターから依頼されたのは、新進気鋭のルソー研究者とMoMA(ニューヨーク近代美術館)のキュレーター。果たしてこの絵はルソーの作品なのか?はたまた何者かがルソーの名を借りて描いた作品なのか?そして、この依頼をしたコレクターの正体は?

著者は大学で美術史を専攻し、美術館の楽ゲインを経て森美術館の立ち上げに関わり、その課程でMoMAに出向経験があるため、美術館やコレクションの裏事情もふんだんに盛り込まれている。解説を担当した高階秀次氏によれば、古来から美術品は窃盗団のターゲットにされやすかったとのこと。現在「行方不明」とされている作品の多くも、彼ら「闇マーケット」関係者の間でやりとりされているのだろうか?

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