「2016年7月の読書リスト」

毎年この時期のメディアは、高校野球で勝手に騒ぐので、鬱陶しくてしょうがない。私が購読している新聞の地方欄は、高校野球予選の期間中、必要最低限のデータしか載せないからまだ我慢できる。しかし主催社の朝日新聞をはじめ大メディアは予選開催中、来る日も来る日も地方版で「さわやかな球児たち」「選手たちを必死で応援する学校関係者」を紹介する記事を掲載する。彼らの性格が記事に載ったとおりならいいが、そんな生徒にはめったにお目にかからない(あくまでも私個人の体験と印象に基づいているのであしからず)。問題は生徒の中に「問題児」がいる場合である。地方では教師を含め学校関係者は、地域の有力者と一体化(「癒着」ともいう)していることが多い。そのためスポーツに限らず、地域における学校の「看板部活」の関係者が不祥事を起こすと、彼らはありとあらゆるコネを駆使して、不祥事のもみ消しを計画・実行する。毎年発覚する部活関連の不祥事は氷山の一角に過ぎず、泣き寝入りする被害者も多いに違いない。まあ高校野球に限らずスポーツイベントに冷淡なのは、自身が「運動音痴」である事、私に酷い「いじめ」をしていた連中の多くが「運動部」に所属していたからなのだが。実際、とあるプロ野球選手が自著で

「高校球児を『さわやかな』と表現するのはいい加減やめて欲しい。オレの周りの高校球児は『酒・タバコ・オンナ』に夢中だった」

と、その内情を暴露しているし。高校野球ですらそうなのだから、他のスポーツも似たようなものだろう。

女子のスポーツ選手はどうかって?男子より少しはマシだろうと思いたいが、最近の女子は「肉食化」しているからね。おとなしそうな顔をしているが、ひとたび競技場を離れたら、男をとっかえひっかえしている、という伝聞記事を掲載された選手もいる。やっかみが混ざっているかも知れないが、真相はどうだろう?

今年(2016年)はオリンピック・イヤーだが、前回大会のロンドン・オリンピックに設置された選手村で用意したコンドームが、開催終了を待たずに全部なくなったとか、選手村で知り合った選手同士が、愛の世界に浸っていたという話が盛んに流れていた。実際に選手村に泊まっていた選手の証言だから本当だろう。ネタほしさに「枕営業」を仕掛けるメディア関係者もいるかも、というのはゲスの勘ぐりか。特に今回の開催地であるリオデジャネイロのあるブラジルは、男女間の貞操観念が希薄なお国柄(これも管理人の勝手な妄想です)だから、今まで以上のペースでコンドームが捌けるのでは?といらぬ妄想を思ってしまう管理人は、生まれてこの方彼女がいたことがない、哀れな中年男性である。

話は変わるが、このブログも開設以来、入場者数が10,000人を突破した。このような弱小ブログを訪れてくれる読者に、この場を借りて感謝したい。

それでは、今月読んだ本の紹介である。

 

演劇の力 ―私の履歴書

 

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「2016年3月の読書リスト」

無我夢中で世間の荒波を乗り越えていたら、あっという間に4月である。今年も⅓が経過したということである。だがその実感はない。

それにしても、次から次へと国民に喧嘩を売っている安倍政権に呆れてしまう。今度は「保育所」の問題で爆弾が破裂した。

保活(保育所を探す活動ー認可・無認可問わずーを、世間一般ではこう呼ぶ)のストレスがたまった一人の母親が「保育所落ちた日本死ね!!!」という記事をブログに書いたところ、その記事が国会で取り上げられて大騒ぎ。本来なら野党議員の指摘に対し、平身低頭するのが筋ってものなのに、安倍はよりによって「誰が書いたかわからない」と答弁し、与党議員も援護射撃のつもりか、口汚くかつ品性を疑うヤジを飛ばしたからさあ大変。Twitter上では「#保育所落ちたの私だ」というタグができるわ、もともと保育士は給料が安い割に激務だというので人材定着がうまくいかず、これまたTwitterで「#保育士辞めたの私だ」というタグができて、ネット上は大騒ぎに。そんでもって、今回も国会前でママさん、現役および元保育士らが人が国会に集まり「保育所落ちた〜」「保育士辞めた〜」というプラカードを掲げてシュプレヒコールの大合唱。それでもママたちの怒りは収まらず、街頭署名を集めて議員に請願したが、さてさてこの先どうなることやら。おそらく安倍は「参議院選挙までに、彼女たちの怒りは収まっているだろう」とタカをくくっているに違いない。牧伸二が生きていたら、この話題もネタにして「あーあやんなっちゃった あーあ驚いた」といっていたのだろうか?

閑話休題。

このブログも、先月で閲覧数が5桁を突破したようだ。カウンターを設置したのが一昨年の6月。各SNSで活発に宣伝攻勢をかけたのは半年くらい前なので、このブログもそれなりに認知度が高まっているのだろうかと、少しばかり嬉しく思う。以上、プチ自慢でした(苦笑)。

それでは、先月読んだ本の紹介である。

 

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「2016年2月の読書リスト」

「明けましておめでとうございます」という時候の挨拶から、あっという間に2ヶ月が経過した。今年も1/6が経過したということになる。

年明け早々に国会が開会してからというもの、大臣・与党議員のスキャンダルや問題発言が頻発した。先月書いたように、あまり大臣の「口利き疑惑」にはじまり、丸川環境相の原発被害についての暴言、島尻北方問題担当相が「歯舞諸島」を読めなかったこと(担当大臣なのに!)高市総務省の「放送法に基づくテレビ局の停波発言、そして宮崎議員の「育休」が、実は不倫のためでした、という破廉恥なスキャンダル。これらの問題行動のうち、甘利は大臣を辞めたが議席はそのまま、秘書たちも姿を見せず、与党は証人喚問に応じないという不誠実。丸川・島尻両大臣は口だけの「お詫び」だけに終始。宮崎議員は議員辞職に追い込まれたが、今後は「髪結い亭主」として妻の尻に敷かれっぱなしになることになりそうだ。あまり報道されていないが、法務大臣がTPPと著作権法の問題について答弁不能になる、という不勉強ぶり。どれもこれも10年以上前なら、一つだけでも内閣が吹っ飛ぶ超弩級のスキャンダルだが、ふがいない野党の体たらくに加え、政権べったりのメディアのおかげで、なぜか内閣支持率は高止まりのまま。「このままではまずい」と、ようやく「民主党」と「維新の会」が合流を決めたが、掲げる政策によっては、単なる「数あわせ」に終わる可能性も捨てきれない

アメリカでは、冷戦時代の「共産主義アレルギー」の影響で、長らく「社民主義アレルギー」だったが、今度の大統領選で自らを「社会主義者」と言い切るサンダース上院議員が旋風を巻き起こしている。その背景には、広がる一方の格差問題がある。アメリカでも奨学金を払えず、生活苦にあえぐケースが急増している。学歴がないから、低賃金かつ不安定な雇用期間の仕事しかない。それを打破するに、大学に行くしかない。高額な「奨学金ローン」を借りて大学で学位を取得しても、希望に見合った仕事にありつけない。さらに上を目指して大学院に行くが、それでもいい条件の仕事は奪い合いになっているという、負のスパイラル。アメリカの貧困状況について書かれた「ルポ貧困大国アメリカ」は、このブログにも取り上げたが、現状は10年前よりさらに悪化している。貧困にあえぐ彼らの状況を見かねたサンダースは、公約に「すべての公立大学教育の無料化」「富裕層に対する課税強化」を掲げ、貧困層や若者の支持を獲得している。残念ながら⒉日に行われた「スーパーチューズデー」では、ヒラリー・クリントンの後塵を拝する結果になったが、彼の公約は、さすがにヒラリーも口にせざるを得ないところにまでになっている。もっともヒラリーは、大学教育無料化については、最初は「無理だ」と行っていたから、本気で取り組むかどうかは甚だあやしいが。

日本の状況は、アメリカよりも清国といえるかも知れない。何しろ、1970~80年代に一時代を築いた「革新陣営」に代表される、社民主義を掲げる政治勢力の没落が止まらないのだ。日本で「社民主義」の旗を掲げる社民党は少数派に転落し、野党第一党の民主党左派は、党内で主導権をとれない有様。安倍政権に批判的態度をとる知識人やSEALDsなどは「社民主義復権」を掲げて闘っているが、肝心の野党指導者には、その声が届かないのがもどかしい。

それでは、2月に読んだ本のご紹介。

世界金融危機 (岩波ブックレット)世界金融危機 (岩波ブックレット)

読了日:2月13日 著者:金子勝,アンドリューデウィット
文学とは何か――現代批評理論への招待(上) (岩波文庫)文学とは何か――現代批評理論への招待(上) (岩波文庫)

読了日:2月15日 著者:テリー・イーグルトン
ブタカン!: ~池谷美咲の演劇部日誌~ (新潮文庫nex)ブタカン!: ~池谷美咲の演劇部日誌~ (新潮文庫nex)

読了日:2月19日 著者:青柳碧人
ソーシャル物理学:「良いアイデアはいかに広がるか」の新しい科学ソーシャル物理学:「良いアイデアはいかに広がるか」の新しい科学

読了日:2月25日 著者:アレックス・ペントランド
月刊少女野崎くん (4) (ガンガンコミックスONLINE)月刊少女野崎くん (4) (ガンガンコミックスONLINE)

読了日:2月29日 著者:椿いづみ

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アスキー・メディアワークス
発売日 : 2013-08-10

(写真は第1巻)

高校生・時縞ハルトは争いごとが嫌いだ。だから、転校生のエルエルフに殴られても、殴り返せない。 しかし、彼の思いとは裏腹に、より大きな争いが彼を襲う。巨大な軍事国家・ドルシア軍邦が奇襲をかけてきたのだ。 戦火に巻き込まれる学校。殺される学友たち。中立平和をうたう小国ジオールには為す術もない。 その騒乱の中、ハルトは謎の兵器「ヴァルヴレイヴ」と出会う。

それは、転校生と偽り学内に潜入したエージェント・エルエルフの標的でもあった。(アニメ第一話「革命の転校生」より)

2014年4~6月、10~12月に分割2クール方式で放映された、サンライズ制作のロボットアニメ「革命機ヴァルヴレイヴ」のノベライズ版。

出版社がアスキー・メディアワークスなのは、副シリーズ構成を担当している人間が、同社の人間であるからだろう。

各メディアで盛んに宣伝攻勢をかけたこともあり、前評判は異様に高かったのだが、終わってみればアニメ好きからは「珍品」呼ばわりされている作品である。当作品に対する彼らの評価は、放映終了後の現在も変わっていないが、実は管理人は、最初から最後まで、きちんと見たロボットアニメはこれが初めてである。

ノベライズ版では、第1巻・第2巻は1stシーズン放映分を、第3巻では2ndシーズン放映分を収録しているが、2ndシーズンって、1冊にまとまるほど内容が薄かったっけ?と思わざるを得ない。だがこれは見方を考えると、第1巻はアニメで放映された内容をそのまま再現しただけ、第2巻では構成も表現もだいぶ洗練されてきて、第3巻では、(ノベライズ担当者が)アニメ版でムダだだと思った部分を思い切りそぎ落とし、1冊に纏めたということもいえるのだろうか。

書籍化に当たり、削られたところ、新たに追加されたところ、アニメ版から大幅に変更されたところがある。生徒全員で咲森学園の校歌を歌う場面、フィガロ・ARUS上院議員がドルシア軍に殺される場面はカットされ、第2巻では、ドルシア軍の特殊機関・カルルシュタイン機関のエージェント・ハーノインが、その上司であるクリムヒルト共々、上官であるカイン大佐の秘密を見つけたところなどが追加されている。====

最大の変更点は第3巻。アニメ版では、ヴァルヴレイヴのパイロットを「化け物」だと判断したARUS・ドルシア両軍によって咲森学園の生徒が虐殺され、生き残った生徒が必死に逃げ延びる場面が出てくる。時縞ハルトらヴァルヴレイヴのパイロットの活躍で「化け物」に認定された他の生徒たちの名誉は回復するのだが、その間生徒たちは宇宙をあてどもなく彷徨うことになる。これに対してノベライズ版では、ジオール大統領の指南ショーコが、ARUS・ドルシア両軍に生徒たちの助命嘆願をしたため、辛うじて大虐殺は阻止された。この設定変更について、ネット上では「なぜ、この通りやらなかったんだ?」という憤りの声が多数上がった。ノベライズ版では、すべての真相を知ったショーコが、生き残った生徒たちに自分の非をわび、 これから一緒にやっていこうと呼びかけることを決意する場面が出てくるが、これもアニメ版とは異なる。

第3巻では、主人公のハルト以外にも、野火マリエ、犬塚キューマ、ハーノインの視点の話が出てくるし、ドルシア脱出時のハルトとリーゼロッテのやりとりも、アニメでは出てこない(そりゃそうだろう、アニメでハルトはヒロインの一人・流木野サキを強姦して、ネット上では大騒ぎになった。ノベライズ版で出てくるやりとりも、露骨に「セックス」という言葉が出てくる。制作者サイドは、これ以上騒ぎを大きくしたくなかったのだろう)。だがこれら独自視点の話が出てくるとはいえ、かねてから視聴者が疑問に思っていた伏線は、この本でも紹介されない。私が知っているだけでも、カイン大佐を妄信するイクスアインと、彼に対する疑念を深め、クリムヒルトと行動を共にすることになったハーノインとのやりとりに何があったのか?予告編で

「ハルト、私を助けて!」

と絶叫したサキに、一体何が起こったのか?静止画では、サキとカイン大佐が向き合う場面が流れたが、これも本放送ではカットされた。さらに200年後のサキは一体誰と闘っているのか?サキが「皇子」と呼びかける少年の両親は誰なのか?ラストの場面で、エイリアンの侵入を報告したのは、連坊小路サトミが「人ならざるもの=マギウス」となったのか、それとも彼の子孫なのか?(ノベライズ版では、サトミの子孫のように書かれているが)など、ツッコミどころは沢山ある。それ故に放映終了後からかなり時間が経過した今でも、あれやこれやとネット上では議論が闘わされている。一時話題になりながら、数年後には「なかったこと」にされている作品が多い中、この作品は5年後、10年後、一体どんな評価をなされるのだろう?

なおこの作品は、日本よりも海外での評価が高かったことを付け加えておく。

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2014年7月の読書リスト

あっという間に8月だよ~。

6月から7月にかけて、日本国内はブラジル・W杯の話題で大騒ぎ(といっても、日本代表が予選リーグ敗退が決まったとたん、メディアの扱いは一気に萎んでしまったけど)だと思ったら、今度は「夏の甲子園予選」ときたもんだ。そもそも「夏の甲子園」だなんて、夏枯れでネタに困った朝日新聞が設立したイベントだというのは、関係者の間で常識なのにね。

夏の甲子園球場の体感温度は、下手をすれば40度を突破すると言われているのに、こんな厳しい条件で高校生にスポーツをやらせるとどんな悪影響があるのか、誰か研究してくれませんか?まあ誰かが研究して結果を発表しようとしても、あちこちから圧力がかかったり、数値をねじ曲げられるのがオチなんでしょうが。スポーツマスコミは

「スポーツに科学的理論を導入しろ!」

と言いながら、灼熱の甲子園というムチャクチャな条件で、郷土愛・母校・教師への忠誠と、仲間、同級生の思いを一方的に背負わされる当事者の気持ちを考えたことがあるだろうか?そんな背景を知らず(イヤ、知っていても)

「かっせ、かっせ、○○(これにも違和感。どうして「かっ飛ばせ!」とコールしないのか?)!」

だの

「XX君ファイト-!」

とスタンドで叫ぶ人たちの頭の中身を、一度でいいからのぞいてみたい。高校野球についてはいろいろ書きたいが、それはまたの機会に。

というわけで、先月読んだ本の感想を。

2014年7月の読書メーター

読んだ本の数:6冊

読んだページ数:1336ページ

ナイス数:0ナイス

魔法科高校の劣等生 (13) スティープルチェース編 (電撃文庫)魔法科高校の劣等生 (13) スティープルチェース編 (電撃文庫)

読了日:7月13日 著者:佐島勤
オール讀物増刊号 エロスの記憶 2014年 06月号 [雑誌]オール讀物増刊号 エロスの記憶 2014年 06月号 [雑誌]

読了日:7月13日 著者:
COPPELION(21) (ヤンマガKCスペシャル)COPPELION(21) (ヤンマガKCスペシャル)

読了日:7月15日 著者:井上智徳
僕たちはドクターじゃない Karte2 (メディアワークス文庫)僕たちはドクターじゃない Karte2 (メディアワークス文庫)

読了日:7月25日 著者:京本喬介
憲法がわかる。 (アエラムック (59))憲法がわかる。 (アエラムック (59))

読了日:7月28日 著者:
私は金正日の「踊り子」だった〈下〉私は金正日の「踊り子」だった〈下〉

読了日:7月31日 著者:申英姫

読書メーター ====

魔法科高校の劣等生 (13) スティープルチェース編

第1巻発刊以来、カルト的な熱狂信者と、それと同じくらい、いやそれ以上に否定的な読者が、ネット上で激烈な論戦を闘わせているライトノベル・シリーズの最新刊。今年4月から放映されているアニメ(2クール放送予定)も人気が伸び悩み、担当声優からも

「独特な性格の作品(まさか、自分が出ている作品を、口が裂けても「最低な作品」といえないだろう)」

とバカにされ、ラノベ愛好家からも「この作品のおかげでラノベの評判が落ちる」と罵倒されつつも、既刊巻数が2桁を超えたと言うことは、ファンが言うところの「売れれば何でもあり」を地でいく作品と言えなくもない。

独特の世界観と難解な用語、詳細な(これですら、アンチからは「細かく詰めてみれば、これ以上あり得ないくらいガバガバ」と非難されている)設定に加え、会話文ですら改行連発という、まことに読みにくい「独特」の文体故に、第1巻では読者から

「同人誌ならまだしも、商業作品ではあり得ない文体と世界観」

「私が見たいのは『物語』であって『説明』ではない」

とさんざんな言われようである。

私自身も第1巻を通読してみて

『なにこの文体?『小説』ではなくて『電化製品のマニュアル本』を読んでいるみたいだ」

という感想を持った。基本的に学園物は大好きだが、これはちょっとついていけるのかな?と思ってしまった。

さて、そんな第1巻刊行から3年近くともなると、さすがに著者の文体にも多少の変化が認められる。第1巻のような説明臭さが少しは和らぎ、会話文内の執拗な改行も消えた他、細かいところもだいぶ改善され読みやすくなっている。

とはいえ、基本的には何かあると、妹が「さすがお兄様!」と褒め称えるという物語なので、そういう展開が苦手、嫌いな人にはお勧めできない。日本アニメ好きの外国人も、この作品を嫌っている人が多いらしく、物語は全体の2/3を経過したというのに、第5話以降の感想が紹介されていないのは、いかにこの作品が異常であるかの表れと思われる。

舞台は主人公が魔法科高校に入って2年目の「九校戦」だが、2冊を費やして綴られた1年生の時の「九校戦」とは異なり、当巻では「l九校戦」の影で展開される十氏族の陰謀を「お兄様」がどうやって阻止するかに重きが置かれている。だから、二年目の「九校戦」の模様を期待していると肩すかしを食う。作者は後書きで「今年の九校戦の模様は、別に改めて書きます」と書いているが、新しいシリーズを始めたこともあり、いつ書店に並ぶかは未定。この人、サラリーマンをしながら作家をしている「兼業作家」だからね。ファンは、首を長くしてお待ちを。

オール讀物増刊号 エロスの記憶

発刊元が、あのお堅い出版社「文藝春秋社」の「オール讀物」が「エロス」をテーマにした出版物を出したというので、思わずジャケ買いしてしまった。だがタイトルに「エロス」とついているが、中身は全然エロくない。なので、夕刊紙やスポーツ新聞に掲載されている「ポルノ小説」を収録した別冊だと考えている人には、物足りなく感じるだろう。ポルノ小説で言うところの「エロス」を感じさせる作品は、山田風太郎の作品だが、それですら、ポルノ小説でお約束の「愛撫」「まxこ」「お○ん○ん」「激しく突いて」といった、この手の作品ではお約束になっている性描写は皆無。おそらくそういう描写は、読者が行間から読み取れ、ということのようだ。

私が一番気に入ったのは、池田満寿夫(故人)が、佐藤陽子に送ったラブレターの数々。こんなに激烈な言葉で綴られた手紙を送られれば、どんな女性だっていちころだろう。この手紙が書かれた時代は、ケータイはもちろんネットも電子メールも存在せず、海を隔てて暮らす恋人同士を繋ぐ手段は、手紙と電話だけだった。男は、一人の女を必死に口説き、愛し、そして生活のために闘った。「現代では、とても考えられないやりとりの数々。今男が、これだけ執拗に手紙を送ったら「ストーカー」にされるだろう。もう一度満寿夫に会いたい!」と叫ぶ、佐藤陽子の手記がなんだか切ない。

COPPELION(21)

3月刊行予定が遅れに遅れ、3ヶ月延期されてようやく刊行されたシリーズ最新刊。扱っているテーマがテーマだけに、ありとあらゆるメディアから黙殺されまくっているが、テーマが「原発」だだからそれもしょうがない?イヤイヤイヤイヤ冗談じゃない、この作品には、現世に対する皮肉と風刺が一杯詰まっている。だがアニメ化に当たり、年代と場所が変更になり、テーマの一つである「放射能汚染」から最初の3文字が削られ、「メルトダウン」に至っては、単なる「事故」にさせられる不憫な作品。これが海外の作品だったら、情け容赦なく政府・電力業界を叩きまくるだろう。

19巻で黒焦げになったはずの黒沢遙人が、1日以上を費やして復活したり、その遙人が「忘れ物係」の襲撃で生死の境を彷徨う成瀬荊に、自分の命を分け与えて彼女の命を救うという、一部で言われるところの「ご都合主義的な展開」はともかく、荊・遙人達コッペリオン達と「忘れ物係」の対決は、いよいよ物語は終盤へと近づいていることを暗示させる。そして明かされる伊丹刹那の正体。彼女は人間か?それともクローンか?

僕たちはドクターじゃない Karte2

主人公たち特別医学生「クロイツ」メンバーの活躍を描いたシリーズ第二弾。個人的にはこのシリーズが好きだったのだが、残念ながらこのシリーズは当巻をもって終了とのこと。彼らの活躍ぶりをもっと見たから少々残念だが、少しでも患者の気持ちにより添いたいと思う気持ちは、リアル医学生と少しも変わらないだろう。

第1巻ではドクと紅のやりとりが中心だが、本巻では京弥と真琴のやりとりや、彼らの本来の性格にも焦点が当たる。その変態ぶりが強調される京弥だが、本当の姿は、その変態的趣味に由来するとはいえ、自分より小さいものを守ることについてことについては、ドク達以上のものがあるし、その京弥に対し事ある毎に暴力を振るう真琴も、優秀な外科医であり、後半では患者に恋するという、乙女の一面も見せてくれる。第1巻では薬物中毒、第2巻では誤診問題や、その道の権威にすがることの危険性など、現代医学界に絶えずついて回る問題について、ワカモノ視点でわかりやすく伝えてくれただけに、シリーズ終了は何とも残念である。

憲法がわかる(AERAムックシリーズ)

大学生向けに発行され、一世を風靡した「AERAムックシリーズ」の後期に発行されたものである。

この本をもう一度読んでみようと思ったのは、安倍内閣が打ち出した「憲法96条改正」及び、集団的自衛権実施のための「解釈改憲」について、憲法は一体どういう観点で成り立っているのだろうか?ということを知りたかったからだ。結論から言えば、この本は「憲法とはなんぞや?」と言うことを知りたい人には不向きの本である。しかしながら「国家と憲法」について深く知りたい、あるいは「ジェンダー」「環境保護」などの論点について、憲法は何が出来るのか、解釈の可能性について知りたいと思っている人には、極めて有用な書籍となり得るだろう。巻末には日本国憲法条文の他、国連憲章、世界人権宣言、国際人権規約A、あらゆる形態の人種差別の撤廃に関する国際条約、ポツダム宣言、日米安保条約(1960年改定)全文が掲載されているのはありがたい。紹介されている書籍については、かなり専門的なものが多数なので注意が必要だ。

私は金正日の「踊り子」だった〈下〉

1990年代後半に「脱北」した、万寿台芸術団に在籍していた元「踊り子」が、それまでの半生を綴った本の後編である。

結婚して家庭を持ち、2人の子どもに恵まれた筆者。夫の仕事は金融ディーラーであり、その儲けは人民のためではなく、金正日一族の豪奢(ごうしゃ)な生活のために使われていると知った彼女は、彼らのやり方に疑念を持つようになる。その一方で、庶民層のためのインフラ整備はおざなりにされる。さらっと紹介される、北朝鮮での「家族計画」の実態。さらに、筆者の渡英を認めるのと引き替えに夫婦に党上層部からつきられた、この上なく冷酷な条件とは?積もり積もった不満に加え、夫が抱いた上層部への不信感をきっかけに、夫婦はついに脱北を決意する。厳しい条件をかいくぐって亡命に成功した一家だが、夫と筆者の家族は、今どこで何をしているのだろうか?一番気がかりなのはそこだ。どうか生き抜いて欲しいが…

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2014年4月の読書リスト

2014年が始まって⅓を経過した。

そう、5月になったということである。

しかも、5月の声を聴いたとたんに「夏日」を記録した。地球は狂っている。

狂っているのは我が国の気候だけではないぞ。「内閣総理大臣」という名の「独裁者」様である。

消費税増税後のパフォーマンスに選んだ会場が「三越日本橋本店」ということ自体、この人の意識は庶民を向いていないことの証左である

(余談だが管理人は世紀末、三越日本橋本店近くの某ファストフードチェーンでアルバイトをしていた)。

国会そっちのけでオバマ大統領の来日「運動」にうつつを抜かし、それが一段落したと思ったら今年の「大型連休期間」中は、ヨーロッパには外遊ときた。中国・韓国両国との関係改善を差しおいてヨーロッパに行くこと自体が異常だと思うのだが、側近は誰も彼に諫言しない。

この国はいったいどこに向かおうとしているのか?

2014年4月の読書メーター

読んだ本の数:7冊

読んだページ数:1729ページ

ナイス数:2ナイス

僕たちはドクターじゃない (メディアワークス文庫 き 2-1)僕たちはドクターじゃない (メディアワークス文庫 き 2-1)

読了日:4月2日 著者:京本喬介
進撃の巨人(13) (講談社コミックス)進撃の巨人(13) (講談社コミックス)

読了日:4月11日 著者:諫山創
魔法科高校の劣等生 入学編 (4)(完) (Gファンタジーコミックススーパー)魔法科高校の劣等生 入学編 (4)(完) (Gファンタジーコミックススーパー)

読了日:4月16日 著者:佐島勤,きたうみつな
地球環境報告 (岩波新書)地球環境報告 (岩波新書)

読了日:4月19日 著者:石弘之
魔法科高校の劣等生 (3) (Gファンタジーコミックススーパー)魔法科高校の劣等生 (3) (Gファンタジーコミックススーパー)

読了日:4月20日 著者:佐島勤,きたうみつな
魔法科高校の劣等生〈1〉入学編(上) (電撃文庫)魔法科高校の劣等生〈1〉入学編(上) (電撃文庫)

読了日:4月20日 著者:佐島勤
統計学が最強の学問である統計学が最強の学問である

読了日:4月23日 著者:西内啓

読書メーター

僕たちはドクターじゃない

ラノベの世界でも「医学生」が主人公の作品が出てきたのかと、興味深く読んだ。

この作品、なかなか読ませる。

何よりも、登場人物が魅力的だ。

一番の常識人なのに、悲しいくらい不器用な(何しろ、買ってきたばかりのインスタントコーヒーの蓋を開けられない)主人公。

そんな主人公に変わり、手作業のすべてをやってあげ(ネクタイを整えることのも彼女の仕事だ!)、幼稚園かと思うほどだだっ子の赤毛の少女。

周囲もどん引きするくらいのロリコン。

手術狂で、やたらと手が出る少女。

そんな彼らの正体は「医学生」、しかも15~16歳くらいだというから驚く。

というのも彼がいる時代、医療業界のブラック化が止まらず、関係者は続々と退職に追い込まれててしまったために、現場は深刻な人員不足に陥った。政府はそれを補うために、優秀な児童(「学生」ではない)に医学教育を施し、ある程度の年齢(おそらく高校卒以上)になったら「医者」を名乗らせる、という政策をとっているのだそうだ。少子化と医者不足をシンクロさせた設定は現実感があり、見事としかいいようがない。会話のテンポも、物語の展開もいい。

著者はあとがきの中で「私はドクターじゃありません」と書いているが、専門用語、特に薬効について詳しい記述があることから、作者はおそらく医学生、もしくは医療関係の仕事についている人だと思われる。

進撃の巨人 第13巻

昨年のアニメ放映後もその勢いは止まらず、全巻累計発行部数が3,600万部を突破した、大ヒットマンガシリーズの最新刊である。

ようやくエレン奪還に成功した調査兵団だが、エルヴィン団長は片手を失い、エレンたちの心の支えだったハンネスら熟練の兵士を喪うなど、その代償はあまりにも大きかった。調査兵団のリヴァイ兵士長らは、エレンたち104期生をとあるところに匿い、反撃の機会を窺う。ところが事件のカギを握ると思われていたウォール教のニック司祭が、中央憲兵兵団の兵士らに虐殺されたことが、分隊長ハンジ・ゾエらの調査で発覚。彼の居場所は調査兵団関係者以外には知らなかったことから、中央政府の高官が絡んでいるとにらんだリヴァイらは、王都潜入作戦を決行する。一方104期生メンバーのクリスタはその名を捨て、元々の名前だったヒストリア・レイスを名乗ることを宣言し、自らのおぞましい過去を同期生に告白する。そして思わぬ事から明らかになる真相。物語は一転、国内の権力闘争へと変わり、調査兵団もその中に引き込まれることになる…====

魔法科高校の劣等生

魔法科高校の劣等生(1)

魔法科高校の劣等生 コミック版 入学式編(3)

魔法科高校の劣等生 コミック版 入学式編(4)

この4月から、鳴り物入りで始まったアニメ番組の原作本・コミック本であるが…

「面白いか?」といわれれば、はっきり言って「????」と思わざるを得ない。

設定はそれなりに面白いとは思っているが、この小説の最大の問題点は文体、そしてその世界観にある。

タイトルに「劣等生」とあるが、主人公は基本的に「魔法」が使えない(それも一般人から見れば、十分に使えるレベルであり、本人が「劣等生」と思っているのは、単に「学校側から見た評価」でしかない」だけで、世間一般から見れば十分に「エリート」である事、主人公の妹の、度を超えたブラコンぶり(二言目には「お兄様すごい!」のノリになって、正直うざいと感じることも)はまだ我慢できるとしても、地の文の文体はまるでPCか電化製品のマニュアルみたいで、正直言って読むのが苦痛だった。会話文のおかしな改行も目障りでしかない。

始めから終わりまで「俺ってすごいでしょ?」というノリ一辺倒で押し切られるので、日常生活に欲求不満を抱えている人間にはお勧めするが、微妙な心理描写とか、人間関係のあやを求める人にはお勧めできない。雑誌「ダ・ヴィンチ」2013年上半期BOOK OF THE YEAR2位になった作品ではあるが、その評価はネット上はもちろん、ラノベ好きの間でも評価は二分されている。

むしろ、この作品はコミックのほうが優れている。原作本は作者の表現力不足もあり、何のことことを説明しているのかさっぱりわからないことも多い。魔法の説明も「これを理解できるのは作者と、その信奉者だけでは?」と嫌みを言いたくなるほどダラダラとムダな説明が多く、読んでいてイライラすることも少なくないが、コミックでは必要最低限のことをコンパクトにまとめている印象を受ける。ただし、いくら「お化粧」したところで限界はあり、画面の至る所から「主人公マンセー!!!!」という雰囲気が滲み出るのは否めない。

地球環境報告

初版発行が1988年バブル期絶頂期、環境問題を訴える本が出たことに新鮮な驚きを覚えたことを覚えている。水俣病や四日市ぜんそく、イタイイタイ病の公害問題を経験していたとはいえ、今みたいに環境NGOの存在はほとんど見えず(この当時は、市民運動の世界でも「環境問題」は「知る人ぞ知る」だった)、もちろん「地球温暖化」で騒がれることがなかった時代に、それも大メディアの記者がかような問題に着目していることは評価されるべきだろう。この本を読んだきっかけは、学校のレポート提出の課題かなんかで取り上げられたからだが、知らなかったことばかりなので刺激を受けた。裏を返せば、大メディアの多くの記者は、これらの問題を知りつつ報道しなかったということであるし、その傾向は安倍政権になってから、ますます酷くなったような気がする。30年近く前、南北問題、森林問題について警鐘を鳴らしていたジャーナリストは、どのくらいいたのだろう?

統計学が最強が最強の学問である

2年前のビジネス書界を席巻したベストセラーの一つだが、受ける印象は前半と後半とで全く異なる。

前半は統計学の歴史についてわかりやすく解説しているのだが、後半は難解な理論ばかりを展開しているから、数学音痴には苦痛にしか感じられないだろう。

難解なのはしょうがない。だが問題は、著者にその難解な理論を読者に理解させようとする気が全くないこと。

「僕はこれだけ難しい理論を理解していますよ。どうです、みなさん!」

という姿勢が見え見えで、読めば読むほど頭が痛くなってきた。おまけに、なぜ「統計学が最強の学問」なのか、さっぱりわからない。統計学の歴史についてのみ触れていたら、読者に苦痛を与えることもなかっただろう。これは編集部の最大のミスである。

というわけで、この本は初心者には向かない。数学の理論展開に精通し、大学1年生程度の統計学の知識を備えている人向けの本である。ビジネスの場面で統計学の知識が必要なのは認めるが、ビジネス書として売り出すのなら、それ用にアレンジするべきだったのではないか?

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