2015年12月の読書リスト

当ブログを訪問してくれる皆様、明けましておめでとうございます。

このような無名ブログをいつも訪問していただき、いつもありがとうございます。

旧年中はお世話になりました。

本年もよろしくお願い申し上げます。

・・・という時候の挨拶もはばかれるような暗い雰囲気ではじまろうとしている2016年である。

日ごとに家計を逼迫するエンゲル係数もさることながら、国内では有事法成立、国外では「イスラム国」の脅威、世界各地で収まる気配が見えない民族紛争など、争いの火種は世界中に広まりつつあるようで不安だ。市井の庶民にとって最大の不幸は、現在ほど発想の転換が必要だというのに、国内外の政治家が依然として「国家」という概念に凝り固まっていること。現代政治の世界こそ「グローバル化」という大きな視点が必要なのに、その概念は経済の世界だけに止まり、しかもそれが世界中で格差拡大と貧困層の増加をもたらすという現実に、多くの指導層が目をそらしている有様を、我々はどう受け止めればいいのか。

国内における反戦運動の動きも鈍い。大学の先生たちががんばっているのは認める。だが将来を担うであろう学生たちの動きが、SEALDsなどごく一部にとどまっていることに、多くの大学教員たちは一様に

「イベントを開催しても、参加者のほとんどは一般人ばかりで、肝心の学生はほとんど参加しない」

と嘆く。

学生の側から見れば、就職のことで頭がいっぱいで、そのことにまで気が回らないというのもあるだろう。だが私からいわせれば、これは大学教員の常日頃の言行が、学生の態度に重大な影響を及ぼしているのではないだろうか?と穿った見方をしてしまう。「日本の将来が危ない」といいつつ、教室内では学生に尊大な態度で振る舞う教員たち。そんな彼らに対し、教え子たちは

「いい気味だ」

「俺たちをバカにした報いだ」

と、冷ややかに見つめているに相違ない。世間で言うところの「一流大学」の学生ほどその傾向は顕著で、彼らの多くは

「俺たちはがんばって一流大学に入ったから、戦場に行く可能性を回避できた。いざ『開戦』になったら、戦場におもむくのは頭の悪い二流・三流大学の学生か、大学に行けない引きこもりだろう」

とでも思っているのだろう。もしそう思っているとしたら、本当にゾッとする世界観である。

という愚痴を言ったところで、精神的に楽になるわけではない。声高に「反戦」といわず「とりようでは世間にもそもそと異を唱える」やり方の方が、今の時代ではもっとも賢いのかも知れない。

というわけで、先月読んだ本の紹介である。

 

ハーバード大学は「音楽」で人を育てる──21世紀の教養を創るアメリカのリベラル・アーツ教育ハーバード大学は「音楽」で人を育てる──21世紀の教養を創るアメリカのリベラル・アーツ教育

読了日:12月10日 著者:菅野恵理子
ウィッチクラフトワークス(9) (アフタヌーンKC)ウィッチクラフトワークス(9) (アフタヌーンKC)

読了日:12月16日 著者:水薙竜
進撃の巨人(18) (講談社コミックス)進撃の巨人(18) (講談社コミックス)

読了日:12月22日 著者:諫山創
赤と黒 (上) (光文社古典新訳文庫 Aス 1-1)赤と黒 (上) (光文社古典新訳文庫 Aス 1-1)

読了日:12月22日 著者:スタンダール
平和学の現在平和学の現在

読了日:12月28日 著者:

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2015年7月の読書リスト

国民及び野党の猛烈な反対を押し切り、安倍政権が推し進める「安保法案(またの名を「戦争法案)」は、与党の数の力の前にあっけなく成立した。おそらく安倍政権は、衆議院で一度可決してしまったら、後は参議院での審議が滞っても「60日ルール」を使って、衆議院で再可決すれればこの法案は成立する。その前に、国民は諦めてしまうだろう。おそらく政権中枢はそう読んでいたはずだ。

ところが、今度の国民の抵抗は本当にしぶとい。学生団体だけではなく、学界、映画界、NGO、はては自衛隊OBまで、ありとあらゆる分野から「この法案は違憲だから即時廃案せよという声が上がり、その声は止まる気配がない。きのう(2015年7月31日)に都内で開催された安保法案反対集会には、4,000人以上が来場したそうである。新聞・テレビなど在京メディアは、国会前のデモをほとんど伝えないが、地方では毎日のように安保法案に反対するデモ・集会の様子を報道しているそうだ。参加者の怒りは冷酷非道な政権、頼りない野党、政権べったりで本来の役目を果たしていないメディアにも向けられている。おそらく「3.11」以降の反原発デモのように、時間が経ったら国民の怒りも沈静化するだろうと、政権側は思っているのだろう。だがそうは問屋が卸すかな?希代の愚策「アベノミクス」のおかげで地方経済はメタメタ、格差問題も広がる一方の生活に、有権者の怒りはついに爆発した。大メディアが示す「内閣支持率」とやらの数字も、とうとう「不支持」が「支持」を上回った。この雰囲気は、第一次安倍内閣の末期に似てきた。

さて、今月の読んだ本の紹介。

今月もバラエティに富んでいるなあ。

アートを書く!クリティカル文章術 (Next Creator Book)アートを書く!クリティカル文章術 (Next Creator Book)

読了日:7月3日 著者:杉原賢彦
最後の1分最後の1分

読了日:7月16日 著者:エレナー・アップデール
名門校とは何か? 人生を変える学舎の条件 (朝日新書)名門校とは何か? 人生を変える学舎の条件 (朝日新書)

読了日:7月20日 著者:おおたとしまさ
ちはやふる(26) (BE LOVE KC)ちはやふる(26) (BE LOVE KC)

読了日:7月24日 著者:末次由紀
ちはやふる(27) (BE LOVE KC)ちはやふる(27) (BE LOVE KC)

読了日:7月24日 著者:末次由紀
想像ラジオ (河出文庫)想像ラジオ (河出文庫)

読了日:7月27日 著者:いとうせいこう

アートを書く!クリティカル文章術

音楽・美術・映画の評論を書く時のポイントを、簡潔に紹介した本。各分野の課題文の添削が掲載されているので、どういうとこに気をつけて文章を書けばいいかがわかる。この本を一言でまとめれば、これらの分野の評論を書くには、かなり高度な知識が必要だということ。書いていることは理解できるのだが、いざまとめようとすると非常に難しい。特に映画の評論を書くときは、撮影技法や映画の理論を理解していないと、納得できるものはかけない。音楽の評論を書くときは、やっぱり楽譜が読めた方がいいのかな?美術の場合は、論旨が普通の評論とがいっているのが当たり前らしい。うーん、これとても他人を納得させられる文章とはいえないな。====

ちはやふる26・27

団体戦日本一という目標を達成したのに、いつの間にか溝が深まっていた千早と太一。新との試合に敗れ意気消沈する太一を励まそうと、千早は彼の誕生日に「太一杯」を開催する。それから数日後、太一は千早に告白するが、この二人はいったいどうなってしまうのだろうか?「かるたを嫌いになったら、仲間とのつながりがなくなる」ことを恐れる太一。太一とかるた部、そしてかるた部の仲間たちを心配しつつ受験生モードに突入した千早。そんなある日、幼馴染みの新からメールが届く。その文面から、心が千々に乱れる千早…。個人的には、千早と太一が別れるのはありだと思う。太一がカルタ部に入ったのだって、千早と一緒になっていたいという気持ちからだったからね。とはいえ、このまま二人が別れたままで話が終わってしまうのは、あまりにも後味が悪すぎる。二人の関係は、そして瑞沢高校かるた部はいったいどうなる?

最後の1分

イギリスのとある年で起こった、大規模な爆発事件(もちろんフィクション)を題材に、たまたま現場に居合わせた犠牲者・重傷者・奇跡的に難を逃れた人たちが、事件1分発生前に感じたこと・考えたこと・とった行動を淡々と綴っていくサスペンス。彼らの思考と行動は「1秒」毎に区切って明記されるが、1秒で実際にこれだけの思考・行動ができるのかな?と思われるところも多々あるのは事実。巻末に犠牲者リストがでているので、本文を読みながら「こいつは最終的に助かったのかどうか?」を気にしながら読み進めるのも一つの方法。レビューサイトにもあるけど、この作品を映像化するのは、かなり特殊な技法と場面転換の技法を多用することになるだろう。不満なのは、この爆発事件の犯人と動機が明らかにされないことだが。

名門校とは何か?

「偏差値の高い学校は、生徒に受験勉強させてばかりいるのでは?」というのが、世間一般の進学校に対するイメージだろう。だが実際は「名門校」ほどリベラルアーツ(教養教育)に力を入れているのである。ミッション系や武蔵高校に限らず、毎年東大・京大に沢山の合格者を送り込んでいる開成・灘・筑波大学付属も、リベラルアーツに力を入れているのは意外だった。教養教育とは「生きる力」を身につけること。安倍内閣発足以降、あちこちで「教育改革」を叫ぶ声が上がっているが、筆者はこの時勢に対し「日本の名門校が培ってきた伝統を破壊することは逆効果だ」と述べている。これは筆者自身、麻布で教育を受けた影響があるのだと思っている。

想像ラジオ

東日本大震災をモチーフにした小説。大地震発生後の大津波に攫われ、命を落とした男性。彼は死者と生存者を繋ぐため、あの世で「想像ラジオ」のDJをはじめる。独特の軽妙なトークは、まるで本物のラジオのようである。家族は生きてるか?友だちや知り合いの消息は?部下はどこに消えた?彼らの行方を追い求める人たちは、情報を求めて彼にメールを送る。それに丁寧に対応する彼の様子が何とも切ない。刊行と同時に話題になり、昨年(2014年)の芥川賞候補作にもなった作品だが、読んでいてちっとも心の中に響かなかないのが不思議だ。テーマは時宜を得ており、アイディアも秀逸だとは思うのだが…。このモヤモヤした違和感はどこから来るのだろう?書評サイトの評価も、真っ二つに分かれる。これは人を選ぶ作品である。

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2015年3月の読書リスト

今月から物価が上がった。

買い物のレシートを見る度、消費税の金額を見てため息をつく。まさに消費税は「悪魔の税金」である。値段が高くなったのに、クーポンの割引は半分に削られる。それもこれも、庶民の生活に興味がない為政者が悪い。それでいて、庶民が選挙で自分の意思を見せることもない。こんなこと、他の国では考えられないだろう。「日本の民主主義は12歳」だといったのはマッカーサーだったが、この発言が出たのは70年近く前のこと。安倍政権の独裁を許している現在では、日本の民主主義は12歳どころか、幼稚園レベルに後退しているだろう。野党もメディアもそしてNGOも、誰も彼も信頼できないし信用できない。「選挙」という合法的な手段で歴史的な政権交代を果たしてからわずか5年で、日本は暗黒時代に突入した。こんな時代になろうとは、誰が想像し得たか?権力者と、それを影で操る復古主義者の高笑いが聞えてきそうで胸くそが悪い。この憤りを、どこにぶつければいいのだろうか?弱者の声が、権力者に届くことはあるのか?

演劇最強論演劇最強論

読了日:3月4日 著者:徳永京子,藤原ちから
紙つなげ!  彼らが本の紙を造っている紙つなげ! 彼らが本の紙を造っている

読了日:3月5日 著者:佐々涼子
(ブレインズ叢書1) 「批評」とは何か? 批評家養成ギブス(ブレインズ叢書1) 「批評」とは何か? 批評家養成ギブス

読了日:3月11日 著者:佐々木敦
本棚にもルールがある---ズバ抜けて頭がいい人はなぜ本棚にこだわるのか本棚にもルールがある—ズバ抜けて頭がいい人はなぜ本棚にこだわるのか

読了日:3月16日 著者:成毛眞
ソロモンの偽証: 第III部 法廷 上巻 (新潮文庫)ソロモンの偽証: 第III部 法廷 上巻 (新潮文庫)

読了日:3月20日 著者:宮部みゆき
虚妄の学園―仙台育英学園高校・その歪んだ実態虚妄の学園―仙台育英学園高校・その歪んだ実態

読了日:3月30日 著者:室井助

 

 

1.演劇最強論

ここ最近の演劇界では、個性的な劇団の活躍が目立っているそうだが、その背景としてアニメやサブカルの影響を受けた劇団主宰者の増加があるらしい。この本は、今の演劇シーンを語る上で、絶対に知っておきたい劇団とその主宰者の紹介、これからの円が気を引っ張っていくであろう主宰者のインタビューなどで構成されている。「小劇場の追いかけ」を自認している人には、これらの知識は必須であろう。日本の演劇は、社会運動と密接な関わりを持つという独特の形で発展してきたが、その伝統は今も健在なようで、現代日本の社会風潮に危機感を持つ劇団主宰者は、私が思っている以上に多いということを感じた。

2.紙つなげ! 彼らが本の紙を造っている

東日本大震災で被害を被ったのは住民だけではない。沿岸にある工場も、また甚大なる被害を受けた。日本の出版業界で使われる紙の4割以上を生産しているという、日本製紙石巻工場も、その中の一つである。被害の惨状を見て、関係者の誰しもが早期復興は困難だと思った。絶望的な状況から、いかにして復活したのか。この本はその道程を記したルポである。恥ずかしながらこの本を見るまでは、日本の出版社が文雇用で使っている紙に、違いがあるとは思ってもみなかった。今度書店を訪れる機会があったら、その違いも確かめて欲しい。====

3.「批評」とは何か? 批評家養成ギブス

筆者が主催している評論家養成講座の講義録をまとめたものだが、そこで展開される内容は哲学的でいささか難解である。作者は以前、批評はもっと平易な言葉で語られるべきだと話していた記憶があるが、実際はかくのごとし。それとも、この程度の論理展開すら理解できない頭しか持たない、自分が悪いということなのだろうか?

4.本棚にもルールがある—ズバ抜けて頭がいい人はなぜ本棚にこだわるのか

書評サイト「HONZ」を主催する成毛真・元日本マイクロソフト社長が書いたユニークな「書棚論」だが、この本をそっくりそのまま受け入れようとしてはいけない。はっきり言ってこの本に書いてあることを実行し、効果が見込めるのは、年収も知識(欲)も、それなりの人である人である。書評サイトを見ると、この本の評価が高いとはいいかねる。むしろ興味深いのは、書評の書き方だろう。ぜひ「書評を書いてみたい」という人は、この本をご参考あれ。

5.ソロモンの偽証: 第III部 法廷 上巻

いよいよ開廷した「学級内裁判」。弁護士サイドは、鮮やかな手腕で被告人有利の流れを作っていく。予想だにしない展開に、目をつり上げて歯噛みする、検察官役のヒロイン。あちこちの書評サイトを見ると「今時の中学生に、これだけの論理展開できるか疑問だ」という感想もちらほら。だが読者が思っているほど、中学生はバカじゃない。口にしないだけで、この世の欺瞞・偽善を彼らなりに感じ取っているものなのだ。問題は彼らが大人になった時、この体験をどう今後の人生に生かしていくか。問われなければならないのはそこだろう。「生意気な中学生だ」と舐めていると、絶対にしっぺ返しがくるに違いない。

6.虚妄の学園―仙台育英学園高校・その歪んだ実態

バブル絶頂期に発行され、仙台では学園関係者に買い占められ、裁判の結果絶版になったという、曰く付きの本である。出版されてから四半世紀経つが、その間も野球部が不祥事を立て続けに起こしていることを考えると、この学校が抱える「闇の部分」は、今もなお続いていると考えるのが正解だろう。この学校だけでなく、スポーツで名前を売ろうとしている地方私学の多くが、この学校と似たような体質を抱えていると思って間違いない。しかしこれだけの疑惑を抱えている私学は、他にあるのだろうか?知名度が高い分だけ、抱えている闇は深そうだ。

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2014年11月の読書リスト

このブログを開設して以来、はじめて2日連続で投稿できそうだ。奇跡だ。

というわけで、本文。

2014年11月の読書リスト

月刊少女野崎くん 公式ファンブック (ガンガンコミックスONLINE)月刊少女野崎くん 公式ファンブック (ガンガンコミックスONLINE)

読了日:11月5日 著者:椿いづみ
ウィッチクラフトワークス(7) (アフタヌーンKC)ウィッチクラフトワークス(7) (アフタヌーンKC)

読了日:11月7日 著者:水薙竜
吉野北高校図書委員会 (MF文庫ダ・ヴィンチ)吉野北高校図書委員会 (MF文庫ダ・ヴィンチ)

読了日:11月7日 著者:山本渚
小学4年生の世界平和 (ノンフィクション単行本)小学4年生の世界平和 (ノンフィクション単行本)

読了日:11月19日 著者:ジョン・ハンター
吉野北高校図書委員会2 委員長の初恋 (MF文庫 ダ・ヴィンチ や 1-2)吉野北高校図書委員会2 委員長の初恋 (MF文庫 ダ・ヴィンチ や 1-2)

読了日:11月20日 著者:山本渚
革命機ヴァルヴレイヴ 流星の乙女 (2) (電撃コミックスNEXT)革命機ヴァルヴレイヴ 流星の乙女 (2) (電撃コミックスNEXT)

読了日:11月20日 著者:大堀ユタカ
難民高校生----絶望社会を生き抜く「私たち」のリアル難民高校生—-絶望社会を生き抜く「私たち」のリアル

読了日:11月28日 著者:仁藤夢乃

月刊少女野崎くん 公式ファンブック

昨年7〜9月にアニメ放映され、人気に火がついた「月刊少女野崎くん」の公式ファンブックである。この作品は書物情報雑誌「ダ・ヴィンチ」のBOOK OF THE YEAR2014 コミック部門の8位にランキングされたことからも、その人気のほどがうかがえる。

登場人物の詳細な設定はもちろん、各キャラクターへのQ&A、ボツになったネタ、さらには出版にまつわる専門用語、少女マンガを書くにあたって必須の知識など、ファンが見たら泣いて喜ぶような情報が満載。宣伝用のPOPや登場人物のアンケート結果、さらには「野崎梅太郎」のインタビューまで掲載されるなど、その内容はまさに至れり尽くせりである。

ウィッチクラフトワークス 第7巻

これまた、昨年1〜3月に上映された、同名アニメの原作本である。今巻では、アニメ終了後の物語が展開されている。

最初はちょっと変わった作品だなと思っていたのだが、アニメの話が進むにつれ、その世界観にどっぷりとはまってしまった。

「魔法」を扱ったファンタジー作品だが、一番の特徴は「主人公」は「ヒロイン」に守られる存在である、ということ。ヒロインが主人公に対する態度は、もはやストーカーなのだが、その愛情はひしひしと伝わってくるのが不思議である。「自分も、こんな彼女が欲しい」と思う読者は多いだろう。====

吉野北高校図書委員会

吉野北高校図書委員会2 委員長の初恋

徳島県にある県立高校の学校図書館を舞台に繰り広げられる青春小説シリーズである。当初の発行元が、KADOKAWAグループと合併し、新たに角川文庫から再発行されているが、ここでは当初の発行元の画像を掲載しておく。

作者が徳島で生まれ育ったからか、登場人物は徳島弁で会話するのが特徴だが、会話や文体のそこかしこに暖かさ、緩さというのが感じられる小説。どことなくまったり、ゆったりした気分になり、癒やされる。ぎすぎすした社会を描いた小説が多く溢れている中、この作品の世界観は貴重だと思う。(3)ではクラスメートの恋愛模様、(4)では、主人公である図書委員長が顧問の教師に抱く淡い恋心、そして進路の悩みが描かれる。

小学4年生の世界平和

アメリカの小学校で「世界平和」について教えている教師が書いた本である。彼は自ら「ワールド・ピース・ゲーム」というゲームを考案し、どうしたら世界中が平和になれるのかを生徒に教えている。このゲームを知った子どもたちは、戦争のむなしさと恐ろしさ、そして多様性の大事さを学んでいく。

だが残念なのは、著者が提唱する「ワールド・ピース・ゲーム」がどんなルールに基づいて行われるのか、一切触れられていないことだ。本書で紹介されている設定も大まかなものに過ぎないから、なにをどうしたらこのゲームが終わるのかが理解できない。10ページ程度でいいから、このゲームのルールについて詳しく触れてくれればいいのにと思った。

革命機ヴァルヴレイヴ 流星の乙女 第2巻

サンライズ制作のロボットアニメ「革命機ヴァルヴレイヴ」のヒロインの一人、流木野サキを主人公にしたスピンオフ作品の続編。本編2ndシーズンをベースに、そこで触れられなかったサキの視点を盛り込んでいる。サキと指南ショーコや連坊小路アキラ、アードライのやりとりは本編では出てきていないので、これらのシーンが本編に盛り込まれていたら、このアニメの評価も変わっていただろうに…と思うと残念だ。愛する恋人・時縞ハルトと死別してから200年、彼女は一体何を思って闘い、そして生きてきたのだろうか?それをテーマにしたアニメを作って欲しいなあ。ダメかな?

/h3>(7)難民高校生—-絶望社会を生き抜く「私たち」のリアル

女子高生の人権を守るために日々奮闘しているNGO団体代表が、これまで自分が辿ってきた壮絶な半生を赤裸々に綴った自叙伝。

家族との不和、学校内での孤立、世間から「不良・落ちこぼれ」と名指ししている子どもたちと繰り返してきた深夜徘徊、そして高校を中退し、荒れた生活を送る日々…。

だがそんな彼女にも理解者が現れたことで、荒れた生活から脱出し、大検に合格して大学生になり、この荒れた社会をよくしようと奮闘していく。

この本を見て感じることは、人生はちょっとしたことで転落もすれば、暗闇から救われることもあるということ。

これは彼女だけではなく、誰にでも起こりえることなのである。

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2014年2月の読書リスト

貧乏なのに

ただでさえ本を置く場所がなくて、家族から文句をいわれているのに

本屋の世界が大好きだから困ってしまう。

お目当ての本があって書店に立ち寄っても、次から次へと

洪水のように出版される新刊書に目がくらみ

結果として別の本を買ってしまうというのは毎度のこと。

この読書メーターに登録された「読みたい!」という本はいつの間にかに2,000冊を突破した。

実際にはこれだけの本を読めるわけがないし、読めたところで理解できるかどうかも怪しい。

それ以前に、置くスペースの問題があるんだけどね。

天野祐吉のCM天気図 傑作選―経済大国から「別品」の国へ天野祐吉のCM天気図 傑作選―経済大国から「別品」の国へ

読了日:2月4日 著者:天野祐吉
名門高校人脈 (光文社新書)名門高校人脈 (光文社新書)

読了日:2月19日 著者:鈴木隆祐
館林発フェアトレード―地域から発信する国際協力館林発フェアトレード―地域から発信する国際協力

読了日:2月24日 著者:東洋大学国際地域学部子島ゼミ
DAYS JAPAN (デイズ ジャパン) 2014年 03月号 [雑誌]DAYS JAPAN (デイズ ジャパン) 2014年 03月号 [雑誌]

読了日:2月28日 著者:
ルポ 貧困大国アメリカ (岩波新書)ルポ 貧困大国アメリカ (岩波新書)

読了日:2月28日 著者:堤未果

読書メーター

.天野祐吉のCM天気図 傑作選―経済大国から「別品」の国へ

昨年10月に惜しまれつつ亡くなった、元「広告時評」代表・天野祐吉氏が、朝日新聞に約30年間連載した同名の名物コラムの傑作選である。全部読んでみて、このコラムに掲載されたコラムを全部読んでみたいなと思った。一部の抜粋だけを纏めるなんてもったいない。

すべてのコラムに共通しているのは、弱者へ向けるまなざしの優しさ。そして権力への辛辣な視線。

興味深いのは、2008年以降のコラムの字数が、開始時に比べてかなり減っていることが目立つこと。

その理由はいったい何だったのだろう?

余談だが「広告時評」で長年にわたってコンビを組んだ島森路子が闘病生活に入ったからだそうだ。このコンビがこの世で見られないというのが悲しい。同じ年に天に召されたというのは、何かの因縁か?

名門高校人脈

文字通り、各都道府県に所在している国公私立高校出身者の記録をまとめた本である。

本文を読むと「へえ、あの有名人はこの学校を出ているのか」とびっくりするところもあるがそれだけのことであり、その著名人が在学中、どんな生徒であったのかを触れている記事はさほど多くない。校風についても、地元の人が見たら「そんなこと、誰でも知っているわ」という程度でしかない。

著者によれば、この本を書こうとするきっかけになったのは「どの大学を出たか、よりも、どの高校を出たか、を知るほうが、その人の「人となり」がわかるような気がしたからだという。何よりも、あれだけの参考文献を参照しながら、著者が書いた文章はこの程度だったのか?あとがきに「名門には、優秀な人材が集まる」とあるのなら、なぜ「優秀な人材が集まる」のか、それを解明するのもライターの仕事ではないだろうか?

ただし、この学校に収録されている「名門高校」の中には、進学面において他校から大きく引き離され、すっかり落ちぶれている学校も多々存在することを付け加えておく。そう、この本で収録されている「名門高校」とは進学面で実績を上げている(あげていた)学校「限定」である。職業教育で実績を上げている「名門高校」も多々存在するのだから、そちらも取り上げなければ不公平というものだろう。====

館林発フェアトレード―地域から発信する国際協力

東洋大学国際地域学部の子島(ねじま)ゼミが、群馬県にある東洋大学板倉キャンパスを拠点にして展開したフェアトレード活動の記録をまとめたものである。原稿作成には子島教授(本書執筆当時は「准教授」)を中心に、原稿作成には2009年に同ゼミ所属の学生7名も参加している。余談になるが、当時の所属学生の一人(女性)は、私のリアル知人である。

「フェアトレード」とは「公正(FAIR)な貿易(TRADE)」を目指すNGO活動のひとつであり、日本のNGOではシャプラニールなど国際支援系NGOの多くが、これらの活動に関わっている。「発展途上国」の、とある地域の「特産物」を「妥当」な(つまり、その地域の住民の生活が成り立つ)値段で買い上げ、先進国の市民に販売するという活動で、日本でもそのためのネットワークがいくつか存在し(代表的なネットワークはこちら)、毎年春には定期総会・学会が開催されている。この本には、日本国内で「フェアトレード」の精神を根付かせようと奮闘する、学生の活動の記録記載されている。

日本で「フェアトレード」が普及しないのはいくつかの要因が挙げられるが、最大の問題なのは、大学で学んだことが、一般社会に還元されないことであろう。実際に私の知人も、留学経験があるなど高度な語学力を持つにもかかわらず、卒業後は、学んだことを全く生かせない仕事をしている。大学生の就職難が叫ばれて久しいが、学んだことが生かせる職場が増えない限り、大学生の就職問題は解決しないだろう。私の知人は「この大学は、優秀な人材をムダにしている」と嘆いていたが、私もその意見に同意する。

DAYS JAPAN (デイズ ジャパン) 2014年 03月号

今月号の目玉特集は「3年目の福島」。あの大震災から3年たった福島が、今どうなっているかを報道している。「ゼロ地点」は建物の崩落危機が一段と募り、いつ何が起きてもおかしくない状態であり、食べ物についても、気にする人とそうでない人の格差が広がっている。母親たちは地域内のホットスポット探索活動を続け、安全な食材調達に奔走する。その過程で家庭が、親族が、そして地域が分断され、支援者たちは心を病む。事実と正義を唱えるものが、多数派から疎外され、孤立する不条理。だが安倍政権は、これだけの危機的な状況にも、原発推進の姿勢を改めず、あろう事か、日本の不完全な原発技術を海外に輸出しようと目論む。後半の特集は、シリア内戦と南シナ海を巡る領有権争い。どちらにも共通しているのは、理研と資源に目がくらんだ人間に泣かされる無辜の民がいること。

ルポ 貧困大国アメリカ

こちらについては、既に別記事で掲載したので、あえてこちらでは触れない。この本の続きとして、作者はいくつかの本を出版しており、それらはすべてベストセラーになっている。本書が出版されてからかれこれ6年近くたち、政権交代もあったが、アメリカの現状がよくなったように見えないのは、為政者の考えていることは同じからだと思わざるを得ない。

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ルポ 貧困大国アメリカ

おそらく、この本は今年(2008年)上半期(1~6月)のノンフィクション界におけるベストセラーに違いない。個人的に、そう確信させるだけのデーターと説得力を持った本である。

2001年に発足したブッシュ政権は

「市場のことは市場に聞け。市場に聞けばなんでも解決できる」

という、経済学者ミルトン・フリードマンが提唱する「新自由主義経済政策」に基づき、教育・医療などありとあらゆる分野において競争原理を導入した。彼等の頭の中には「市場経済を活性化させれば、優秀なサービスが生き残る」という考えがあったに相違ない。だがそれらの政策は「勝ち組」はますます栄え、「負け組」は食うや食わずの状況という、有史始まって以来の格差を生み出してしまった。

激烈な「優勝劣敗」の論理が行き着くところまで行き着いた状態、それが今のアメリカである。

まず教育。

義務教育への補助金を削った結果、公立学校の給食はハンバーガーに代表されるファーストフードが中心になって野菜がほとんど提供されなくなった結果、肥満に苦しむ児童が増加した。それらの多くは貧困に苦しむ家庭の子で、彼らの親はわが子に栄養十分な食事を提供できない。頼みの綱の学校給食も、予算削減のあおりを受けて上記のような食事しか供給できず、結果として肥満の再生産を生み出している。しかも、学校給食をビジネスチャンスとみなし、市場参入を虎視眈々と狙っているファーストフーチェーンもあるというから穏やかではない。

全米各地で実施されている「肥満キャンペーン」は、もうお笑いでしかない。肥満を解消するには、児童の生活環境を改善しなくてはいけないのにそれには手をつけず、体操しましょう、ミルクを飲みましょうという見当違いのキャンペーンを喧伝している。肥満対策に奔走する看護婦は

「炭酸飲料が大好きで、体育館の近所には子供たちの大好きなスナック菓子が並んで待っている児童が、体操したりミルクを飲んだりするわけがない」

と冷ややかに言い放った。====

「貧乏」という境遇から脱出するためには、高い学歴が必要だ。だが「なんでもカネ」のアメリカにおいては、大学への学資が高い壁になって立ちふさがる。軍隊は貧困層をターゲットにして「軍隊で一定期間軍務に服すれば、大学への入学金や奨学金を用意してやる」とささやく。貧乏人はその言葉を信じて軍隊に入隊するが、彼らを待っているのは「絶望」の2文字。訓練で猛烈にしごかれ、指導教官からこれでもかといわんばかりに悪口罵詈雑言を浴びせられ、新兵は精神を病んでいく。映画「フルメタルジャケット」や「愛と青春の旅立ち」をご覧になった方なら、新兵教育がどんなものなのかお分かりだろう。

運よく軍務を終えても、大学にいけるとは限らない。郡から奨学金を得るには一定の金額を軍に払わなければならず、その金額は新兵の給料では払えない。かくして貧困層は、永遠に貧困層から脱出できない。

上官のしごきに耐え、軍資金をもらい、大学に入ったとしても、今度は「就職」という壁にぶつかる。卒業しても、働き先が見つからないのは、今の日本とよく似ている。頼みの「奨学金」ですら、アメリカでは「ローン形式」になっているから、就職先がないということは、即ホームレスを意味する。ローン返済のために、短期の仕事やアルバイト、派遣で糊口をしのぐことになるが、派遣登録会社では「古い順から3つまでの職歴は消せ」と指導される。そうでないと、仕事にありつくことも困難だからだ。

社会を支えるためにあるはずの医療と保険も、アメリカ中に吹き荒れる「新自由主義」に影響されてとんでもないことになっている。前者では過剰ともいえるノルマ主義のせいで、心身とも疲れ果てた医療従事者の退職が相次ぎ、後任者の補充もままならない。後者にいたっては、何か事が起こっても保険金は規定どおりに支給されず、クレームの電話は次々にたらいまわしされ、被保険者があきらめるのを待つのが当たり前。日本でも年金改革や医療保険の改革が叫ばれているが、アメリカの医療関係者は

「日本の国民皆保険制度は世界でも最高のシステムなのに、なぜアメリカの制度を導入したがるのか?」

と不思議がっているそうだ。

今世界中を恐怖のどん底に落としている「サプライムローン」。これは貧困層を狙うビジネスの中でも、最低最悪なものだ。満足に英語の読み書きもできない移民層に、言葉巧みに「あなたもわずかな支払いでマイホームを持てます」と契約を持ちかける。嬉々として契約書にサインする彼らを待ち受けているのは、馬鹿高いローンの支払い。最初の数年間こそ利率は低いが、その期間を過ぎたら利率は貧困層の支払い限度を超えてしまう。識字率の低い人たちにこんなローンを売りつけたらどうなるのか、結果はわかっていたはずだ。ローン業者は目先の儲けほしさで、悪魔に魂を売った。

金がないやつは国家の役に立たない、国家の役に立たない貧乏人は死んでしまえ、そんな風潮にあふれているのが今のアメリカである。実際、ニューオーリンズの大水害の犠牲者のほとんどは、移動手段もろくにない貧困層だった。「国民の安全を守る」という国家の最低限の仕事の範疇にも「市場原理」を導入したのが原因である。

劣悪な環境を改善するのが政治・政府の仕事なのに、強者は「自己責任」の一言で彼ら貧困層の劣悪な環境を省みず、「アメリカン・ドリーム」といわれる成功者の多くもまた、貧困層の救済に立ち上がることはない。市民たちは貧困者救済に立ち上がっているが、議会が彼らの声にこたえることはない。今のアメリカ連邦議会議員の多くは、大企業から献金を受け、大企業の代弁者に成り下がっているからだと指摘する人もいる。

この本を見て「これはアメリカの一部分だけでおきていることだ」というのは簡単だ。だがこれらの現象を「一部」と割り切っていいのだろうか?人は、生まれてくる環境は選べない。生まれながらに、劣悪な環境で生きざるを得ない人たちはこの世に多く存在する。

「アメリカの現在は日本の10年後」といわれて久しいが、今の日本に格差問題を食い止めるだけのエネルギーを持っている集団がいるのかと、私はやや懐疑的な目で見ている。しかし、だからといって「座して死を待つ」というのは最低である。

ほんのわずかでもいい。自分より弱い立場の人間を思いやる気持ちを持つこと。

今の日本人に求められているのは、まさにそれではないだろうか。

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