「2016年9月の読書リスト」

今月、我が家に最新鋭のBDレコーダーがやってきた。今まで使っていたレコーダーのDVDディスクが壊れたので買い換えたのである。

今まで使ってきたレコーダーは、今まで使ってきたテレビが故障し、5年前に液晶テレビ(人生初の液晶テレビである)とともに購入したマシンである。当時は単純に「画面がフツーに映ればいいや」と思っていたので、性能面は全く考慮しなかった。その頃登場した最新鋭のテレビは「ネット対応」を謳い、テレビでもYouTubeを楽しめることをウリにしていた。その時はネット上で動画を楽しむのはPCだと思っていた私は、最新鋭機ではなく普通のテレビを買った。もちろんBS・CS放送を見るつもりもなかった。

ところが、私が購入したレコーダーはチューナーが1つしかなく、録画したい番組が重なると、どちらかをあきらめなくてはならない。そういうことはしょっちゅうだった。録画できる時間も「3倍モード」で25時間分(5年前の製品は「GB/TB」ではなく、「時間」で収録可能時間を表示していた)しかなかった。そのため残しておきたい番組がたまると、その都度DVDにダビングしなくてはならず、DVDプレーヤーに過剰な負担がかかった。繰り返されるダビングにDVDプレーヤーは悲鳴を上げた。2年前に故障して一度部品交換をしてもらったが、今回の故障は家電量販店が設ける「長期保証期間」ギリギリのことだったので、それだったら新しいマシンを買おう、という結論に至ったのである。

BSを見るようになると、旧マシンへの不満が増大した。この機械では、BS番組はVHSビデオの画質でしか録画できないのだ。しかも画面はハイビジョンではなく「標準」モードだから、表示される画面の範囲は狭い。チューナーを新しくしたことで表示画面の不満は解消したが、画質の不満は残ったままだった。何しろ、映画のエンドロールに登場する細かい字がきちんと読み取れないのである。だからこの夏に外付けHDD購入して番組を録画して番組を見たとき、その画質の違いに唖然とした。問題は、外付けHDDに録画したBS番組を、新しく買ったマシンにダビングできるのかどうかということだ。それにしてもBS・CSというのは、本当にカネがかかるシステムである。

さて、それでは先月読んだ本の紹介である。

著者 : 古舘春一
集英社
発売日 : 2013-10-04
著者 : 木村草太
講談社
発売日 : 2012-11-22
著者 : 諫山創
講談社
発売日 : 2016-08-09
著者 : 古舘春一
集英社
発売日 : 2014-01-04

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「2016年4月の読書リスト」

今年も1/3が経過した。(←「昨年と同じ書き出しじゃねーか!」というツッコミはヤボというものです。ここの管理人さん、それほど頭はよくないので)

だが昨年同様希望の光が見えないどころか、日本は本当に破滅するのでは?という恐怖が日ごとに増してくる。

14日に熊本を中心に発生した地震は、今日(2016年4月30日)現在1,000回以上も余震が起きている。

厄介なことに、今回の余震はおさまる気配がない。気象庁も「想定外の事態」だと茫然自失、対策のとりようがないと匙を投げている。

相次ぐ余震のために、車の中で一夜を過ごすという生活を送る住民も多い。余震による自宅崩壊、それに起因する圧死を避けるためである。

車の中で一夜を過ごす危険性は、誰もがみなわかっていることである。実際エコノミークラス症候群で、複数の被災者が命を落としている。

従来の耐震基準も、今回は役に立たない可能性が大きい。ひっきりなしに起こる地震のために、建物にかかる負荷が蓄積し、ちょっとした地震で建物が崩壊する可能性が高まっているからだ。それなのに、安倍政権の動きは思い。「3.11」の時ですら、地震発生翌日に激甚災害指定されたのに対し、安倍政権が熊本地震を激甚災害に指定したのは先月25日。ここまで遅れたのは、その前日に衆院選挙補選が行われ、それを受けて「私が決断した」という形をとりたかったからとも、熊本県知事との関係が悪かったからだといわれているが、さて真相はいかに?

さてさて、先月読んだ本の紹介。

興味の方向が、社会科学から自然科学にシフトしているのは気のせいではなく、あえてそうしているのです。

 

数学する身体
数学する身体

森田真生

読了日:04月01日

評価5

 

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2015年12月の読書リスト

当ブログを訪問してくれる皆様、明けましておめでとうございます。

このような無名ブログをいつも訪問していただき、いつもありがとうございます。

旧年中はお世話になりました。

本年もよろしくお願い申し上げます。

・・・という時候の挨拶もはばかれるような暗い雰囲気ではじまろうとしている2016年である。

日ごとに家計を逼迫するエンゲル係数もさることながら、国内では有事法成立、国外では「イスラム国」の脅威、世界各地で収まる気配が見えない民族紛争など、争いの火種は世界中に広まりつつあるようで不安だ。市井の庶民にとって最大の不幸は、現在ほど発想の転換が必要だというのに、国内外の政治家が依然として「国家」という概念に凝り固まっていること。現代政治の世界こそ「グローバル化」という大きな視点が必要なのに、その概念は経済の世界だけに止まり、しかもそれが世界中で格差拡大と貧困層の増加をもたらすという現実に、多くの指導層が目をそらしている有様を、我々はどう受け止めればいいのか。

国内における反戦運動の動きも鈍い。大学の先生たちががんばっているのは認める。だが将来を担うであろう学生たちの動きが、SEALDsなどごく一部にとどまっていることに、多くの大学教員たちは一様に

「イベントを開催しても、参加者のほとんどは一般人ばかりで、肝心の学生はほとんど参加しない」

と嘆く。

学生の側から見れば、就職のことで頭がいっぱいで、そのことにまで気が回らないというのもあるだろう。だが私からいわせれば、これは大学教員の常日頃の言行が、学生の態度に重大な影響を及ぼしているのではないだろうか?と穿った見方をしてしまう。「日本の将来が危ない」といいつつ、教室内では学生に尊大な態度で振る舞う教員たち。そんな彼らに対し、教え子たちは

「いい気味だ」

「俺たちをバカにした報いだ」

と、冷ややかに見つめているに相違ない。世間で言うところの「一流大学」の学生ほどその傾向は顕著で、彼らの多くは

「俺たちはがんばって一流大学に入ったから、戦場に行く可能性を回避できた。いざ『開戦』になったら、戦場におもむくのは頭の悪い二流・三流大学の学生か、大学に行けない引きこもりだろう」

とでも思っているのだろう。もしそう思っているとしたら、本当にゾッとする世界観である。

という愚痴を言ったところで、精神的に楽になるわけではない。声高に「反戦」といわず「とりようでは世間にもそもそと異を唱える」やり方の方が、今の時代ではもっとも賢いのかも知れない。

というわけで、先月読んだ本の紹介である。

 

ハーバード大学は「音楽」で人を育てる──21世紀の教養を創るアメリカのリベラル・アーツ教育ハーバード大学は「音楽」で人を育てる──21世紀の教養を創るアメリカのリベラル・アーツ教育

読了日:12月10日 著者:菅野恵理子
ウィッチクラフトワークス(9) (アフタヌーンKC)ウィッチクラフトワークス(9) (アフタヌーンKC)

読了日:12月16日 著者:水薙竜
進撃の巨人(18) (講談社コミックス)進撃の巨人(18) (講談社コミックス)

読了日:12月22日 著者:諫山創
赤と黒 (上) (光文社古典新訳文庫 Aス 1-1)赤と黒 (上) (光文社古典新訳文庫 Aス 1-1)

読了日:12月22日 著者:スタンダール
平和学の現在平和学の現在

読了日:12月28日 著者:

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2015年8月の読書リスト

2015年8月30日は、日本の市民運の歴史に、新たな1ページを加えることになるだろう。

当日は時折小雨交じりになるという悪天候にもかかわらず、老若男女12万人が国会に集結した。もちろん「安保法案廃案!」を叫ぶために。雨が降っても10万人以上が集結したら、好天だったら30万人がやってきたはずである。そして延べ人数も、途方もない数値になっていただろう。

そこでは坂本龍一が、園子温が、そして実際の戦争を体験している森村誠一らが、口々にこの法案の不当性・違憲性を訴えた。

会場では4野党の党首が同じ壇上で手を繋いで並び団結をアピールした。彼らの怒りの前に、警察が敷いた規制体制は、あっという間に崩壊した。この様子を観察していたデモ主宰者や野党議員は、延べ人数の参加者は35万人と推計している。にもかかわらず、政権サイドは「デモ参加者は3万人」と言い張り、彼らに尻尾を振る大メディアも、このデモを矮小化しようと必死である。海外メディアの多くは、このデモを「日本の政治史に残る出来事」と報道する反面、これだけの人数が集まったにもかかわらず、きちんと事実を報道しようとしない日本のメディアの姿勢に違和感を感じたのではないか?

2003年、イラク戦争反対デモを叫ぶために集まった人たちは約5万人。それでも当時は近年最多といわれていたものだ。ブロードバンドの普及で大量にメールが行き交い、ネットのおかげで人々が簡単につながるようになったといわれていたが、当時はメーリングリストで交わされる情報が頼みだった。だが今はTwitterやFacebookに加え、動画サイトによるネット中継が普及したことで、情報があっという間に広がる時代である。と同時に、伝えるべきことを伝えようとしないメディアに対する不信感も、時間の経過とともに募っている。

そこへ持っていて、昨日はもと最高裁判所長官経験者が、この法案は違憲であると明言した。それでも、自民党はこの法案成立に突っ走るんだろうか?

さて、先月読んだ本の紹介。期せずして、今月読んだマンガ以外の本は、作者が外国人である。

ジャズ喫茶論 戦後の日本文化を歩くジャズ喫茶論 戦後の日本文化を歩く

読了日:8月10日 著者:マイク・モラスキー
進撃の巨人(17) (講談社コミックス)進撃の巨人(17) (講談社コミックス)

読了日:8月13日 著者:諫山創
ちはやふる(28) (BE LOVE KC)ちはやふる(28) (BE LOVE KC)

読了日:8月21日 著者:末次由紀
101回目の夜―Just do it.No excuses!101回目の夜―Just do it.No excuses!

読了日:8月21日 著者:ダグラス・ブラウン
本を読む本 (講談社学術文庫)本を読む本 (講談社学術文庫)

読了日:8月28日 著者:J・モーティマー・アドラー,V・チャールズ・ドーレン
読書メーター

ジャズ喫茶論

戦後の日本文化を歩く日本における「ジャズ喫茶」の過去と現在を、社会学の視点から考察した一冊である。一番の特徴は、地方にある「ジャズ喫茶」を丹念に取材し、そこのマスターと、地方におけるジャズ文化の受容の様子を記載していることである。戦前の日本のジャズ喫茶にやってくる顧客の大部分は、当時はやっていたダンスホールからの顧客が大部分だったそうである。そのイメージが戦後まで残り、ジャズ喫茶にたむろしている高校生たちは「不良」というイメージで見られていた。学生運動が華やかし頃の1960~70年代は、若者からジャズは「反体制」の象徴として捉えられ、戦後~高度成長期のジャズ喫茶では、店内では「私語禁止」という暗黙のルールが存在していたことを知る人は、どのくらいいるのか知りたい。====

進撃の巨人(17)

16巻後半からの怒濤の展開を経て、このお話もいよいよ先が見えてきた、と思っていたのだが…

自らの手で過去の因縁を断ち切ったヒストリア(クリスタ)は「人類に君臨する女王」として、困難に立ち向かう覚悟を固める。「調査兵団のお飾り」と揶揄されつつも、自分のやりたいことを自らの手で切り開いていくヒストリア。そこには自らを「いい子」だけと蔑んでいた姿はもうない。クリスタ、君は強くなったよ。彼女の成長は、ファンとして嬉しい限りである。

だがこの話は、まだまだ一波乱も二波乱もありそうな予感。何よりライナーらの謎が解明されていないし、エレンの実家の地下室の秘密も残っている。そして、最終ページに出てくるあの巨人の正体は…

101回目の夜ーJust do it. No excuses!

セックスレスの夫婦が増えているという話を聞いたジャーナリストがその話を妻にしたところ、彼女から「それじゃ反対に、100日連続でSEXしたらどうなるだろう?」と提案され、それを実行した記録を書籍化したもの。扱うテーマがテーマだけにポルノ小説と誤解される方も多いだろうが(実際にポルノ・イベントの様子も書かれているが)、世間一般で思われている「ポルノ小説」ではなく、作者家族がどんな生活を送っているのかもきちんと描写されている。そのため見方によっては「文学」ではなく「ルポルタージュ」であると解釈することも可能だろう。具体的な性愛描写はさらりと流されているだけなので、その部分を物足りないと思う人もいるかも。なお本書に付帯している帯には「映画化決定!」という文字が大々的に躍っているが、2015年現在、海外で映画化が進んだという話は聞かない。

ちはやふる(28)

一緒にかるた部を引っ張ってきた太一の退部という事実を受け入れられず、自身も休部してひたすら受験勉強に専念していた千早。おそらく彼女は、これを機にかるた部から抜けようと思っていたに違いない。しかし他の部員が一生懸命に活動している様子を目の当たりにした彼女は、やっぱり自分にはかるたしかないと思ったのだろう。東京都予選直前に電撃的に復帰を果たしたが、休部していたブランクは大きかった…。創設者不在の状況というハンディを克服したかに見えるかるた部メンバーだが、太一が抜けた穴はやっぱり大きかった…。メンバーは短期間でそれなりに成長しているが、それが「チーム」に還元されていないのがもどかしい。実は、千早は「かるたバカ」ではなく、ちゃんと勉強すればそれなりにいい成績がとれる生徒だということが判明する巻だったりする。

本を読む本

1940年に出版されて以来世界中で愛読されている書物で、読書論の分野では既に「古典的名著」と見なされているものである。著者が本作の中で繰り返しているのは「読書とは『著者との対話』である」ということ。なるほど、こんな考えがあることは想像できなかったな。著者にいわせれば、我々が普段やっていることは「初級読書」であり、著者のいいたいことを理解するためにはそれなりの技術がいるということなのだ。確かにこの本においても、著者のいいたいことをと完全に理解するためには、それなりの技術と広範な知識が要求される。海外の名画に「読書をする人」をテーマとする名作が数多くあるのも納得。それは読書の習慣が、ヨーロッパにおいて重要である事が認識されているからに他ならないからだ。

翻訳書故、読みづらさが多々ある事はどうしても否めない。それは外国書の著者の多くが「哲学」を思考べーすにしていることもあるが、翻訳書の多くが「漢文読み下し」の影響を受けていることを指摘する翻訳者・外山滋比古氏の指摘は、本文以上に興味深いものがあった。

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2014年12月の読書リスト

私はこのブログの原稿をScrivener(「スクリブナー」と読む)で書き、それをプラウザでブログの管理画面にログインし、原稿をコピー&ペーストし、文字飾りをして記事をアップしている人間である。ブログ専用のテキストエディターもあるようだが、お金がかかるのでこの方法を用いている。

Scrivenerは日本でも人気のあるソフトであり、学術論文や脚本、小説などを執筆する人が愛用している。だがご存じの方も多いと思うが、このソフトは外国製であり、英語が苦手な人間にとっては取っつきにくいソフトである。管理人もご多分に漏れず英語が苦手であるが、必要最低限の英語は何とか理解できていたので「だいたいこんなことを言っているのだろう」という、何ともおおざっぱな理解で何とか使いこなしていた。

ところがこの年末発売されたMacfanに、このソフトの日本語化アップデーターソフトが紹介されていることを知り、早速ダウンロード&インストール。ツールバーが日本語化されていることを確認し、自分の思うような設定が出来るようになった。ありがたい限りである。

それでは、先月読んだ本の感想をざっと紹介したい。

2014年12月の読書リスト

進撃の巨人(15) (講談社コミックス)進撃の巨人(15) (講談社コミックス)

読了日:12月12日 著者:諫山創
四月は君の嘘(1) (講談社コミックス月刊マガジン)四月は君の嘘(1) (講談社コミックス月刊マガジン)

読了日:12月16日 著者:新川直司
四月は君の嘘(2) (月刊マガジンコミックス)四月は君の嘘(2) (月刊マガジンコミックス)

読了日:12月20日 著者:新川直司
闘うための哲学書 (講談社現代新書)闘うための哲学書 (講談社現代新書)

読了日:12月24日 著者:小川仁志,萱野稔人
ソロモンの偽証: 第I部 事件 上巻 (新潮文庫)ソロモンの偽証: 第I部 事件 上巻 (新潮文庫)

読了日:12月28日 著者:宮部みゆき
ソロモンの偽証: 第I部 事件 下巻 (新潮文庫)ソロモンの偽証: 第I部 事件 下巻 (新潮文庫)

読了日:12月28日 著者:宮部みゆき

進撃の巨人 第15巻

2009年の連載開始から5年あまり。漫画界のみならず、社会や出版業界に影響を及ぼしてきたこの作品も、ようやく真相が見えるところまでたどり着いた。

王政サイドの陰謀により「謀反人」扱いされていた調査兵団。伝説の殺人鬼ケニー・アッカーマン率いる対人制圧部隊、中央憲兵団との抗争に苦しみつつも、分隊長ハンジ・ゾエの機知に富んだ計略、調査兵団の正当性を理解した「ドラ息子」フレーゲル・リーブスの決断により窮地を脱出、クーデターにより王政打倒に成功する。ピクシス指令の狸親父ぶりには舌を巻くが、ザックレー総統が実は「反王制」だったことは意外。そしてこれまでの「王家」とは別の王家が存在し、その王家は104期メンバーの中に存在していたのだ。さらに、その王家はエレンの父親とは意外な因縁があり…。

昨年11月に公開された映画の舞台挨拶で、アニメ2期の制作が発表されたことから、原作も今年中に完結されることが予想される。さて一体、どんな結末を迎えるのだろうか?捕捉されたが供述を拒み、自らを結晶化したアニは目を覚ますのか?ライナー、ベルトルト、ユミルの再登場はあるのか?

四月は君の嘘 第1巻 第2巻

昨年10月から放映されている、同名アニメの原作マンガ。11巻で完結されることが告知されており、アニメも完結まで放映されるそうだ。

主人公は小さい頃から「神童」の名前をほしいままにしながら、その演奏は「人間メトロノーム」「母親の操り人形」「コンクールだけのピアニスト」などと揶揄されるなど、決して評価が高いものだとはいえなかった。彼は「お母さんに喜んで欲しい」一心で厳しい練習を積んでいたが、母の死がきっかけでピアノが弾けなくなり、2年間コンクールから遠ざかっていた。そんなある日、破天荒な少女ヴァイオリニストとで会ったことで、彼の世界は一気に変わっていく…

その少女・宮園かをりはやたらと気が強くけんかっ早いが、寂しがり屋で泣きながら「一人にしないで」と主人公にすがるなど、年相応に少女らしさを見せる。

演奏は素晴らしいものだが、演奏直後に手首が震えていたり、舞台上で倒れて入院したりと、初っぱなから不穏な雰囲気が漂う。

果たして、この二人にどんな運命が待ち構えているのか?====

闘うための哲学書

1970年生まれの二人の哲学者が、一般市民むけに開催された哲学セミナーの模様を収録したものである。

書棚には星の数多ほど「哲学入門」書があふれかえっているが、それらの本がわかりやすかったためしがない。それもそのはずで、これらの本の作者の多くは、自分の知的レベルにあわせて「解説」しているからである。この本もその例に漏れず、語られていることは難しく、理解するのは難しい。だが語り言葉で綴られているので、他の「入門書」よりは理解しやすいだろう。

本書を読んでみると、いかに「古典」が大事である事が理解できるだろう。この本で取り上げられている哲学者の発言の《修飾語の連続》ほとんどは、現代にも通用する、いや、現代人に一番欠けているのが、彼らの思想である事は明白。この本が、世間に急速に広がっている「反知性主義」を止める手段になればいいのだが。

ソロモンの偽証 第一部(上・下巻)

2012年に刊行された、日本を代表するミステリー小説。その待望の文庫本であり、今年の春に映画化が予定されている作品である。

時は日本がバブル景気に沸き浮かれていた1990年のクリスマスイブ、都内のある中学生が屋上から転落死を遂げた。

学校と警察当局は本件をこの事件を「自殺」として処理し、生徒たちも遺族もそれに納得した…はずだった。

ところがこの「事件」は、自殺した担任きょうしとおなじまんしょんにすむしゅふの歪んだ欲望と、自己顕示欲の強いテレビ局「報道記者」の手によって、あらぬ方向に向かいはじめる。関係者の間に電場する疑心暗鬼。それらが積み重なり、学校の雰囲気は一気に重苦しくなっていく。ヒロインは当初「無関係」を装いつつも、父が警察官ということもあり、ひそかに事件の行方を気にしていた。だが彼女にも「報道記者」がせまってきたことから、ついにある決断をする…

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2014年8月の読書リスト

「かっとばせー!」

「○○君ファイトー!」

「感動をありがとう!」

という言葉が飛び交う、偽善に満ちた「暑い(イヤ、ここは「熱い」というべきか?)夏」がようやく終わろうとしている。

季節の上では「秋」なのだが、厳しい残暑はまだまだ続くしね。ちなみに今年は、この年になって「夏バテ」なるものをはじめて体験した。これがとんでもなくしんどいものだったとは。やっぱり私も年をとったのだな。

それはそうと、毎年毎年NHKで放映される「高校野球」のバカ騒ぎは何とかならないものか?昨年は東北勢が2校、今年は北信越税が2校準決勝に進んだが、結局優勝したのは、大都会(昨年は関東、今年は関西)の「野球学校」。なんだか白けるわ。そういえば去年は春夏とも関東勢、今年は春夏とも関西勢が甲子園で優勝したんだよね。まあいいけど。

そこに持ってきて、今年は軟式高校野球でも「前代未聞」の新記録だもんね。延長50回…これは驚くべきなのか?それとも讃えるべきなのか?はたまた非難してしかるべきなのか?一試合が終わるのに足かけ4日間かかり、双方とも一人で試合が終わるまで投げきった。サスペンディッドゲームとはいえ、なんとかならんものなのか?当然相手チームはその間待ちぼうけ。調整がやりにくかったのではと思っていたら案の定、相手チームの監督は、試合終了後のインタビューで「難しかった」とこぼしていたそうだ。大人の押しつける「不条理」に黙って耐え抜く高校生には同情する。欧米でこんなことをやらせたら、間違いなく非難囂々だろうね。

そしてとどめは「24時間テレビ」。はっきり言って、この番組の使命はとっくに終わっている。当時は深夜にテレビをやらないのが当たり前、そんなときに1日中「福祉」「助け合い」をテーマにした番組を24時間、それもスタッフが手弁当で放映することだけでも大きなインパクトだった。だが時代は大きく変わり、出演タレントには高額ギャラが提示され、テレビ放映も24時間が当たり前に鳴り、番組の内容も偽善色がぷんぷん漂う。こんな番組を、今も面白がって観る視聴者の頭の中を知りたい。

さて、先月読んだ本の紹介。

2014年8月の読書メーター

読んだ本の数:6冊

読んだページ数:1305ページ

ナイス数:4ナイス

進撃の巨人(14) (講談社コミックス)進撃の巨人(14) (講談社コミックス)

読了日:8月9日 著者:諫山創
亜米利加ニモ負ケズ (新潮文庫)亜米利加ニモ負ケズ (新潮文庫)

読了日:8月13日 著者:アーサービナード
夢の雫、黄金の鳥籠 5 (フラワーコミックスアルファ)夢の雫、黄金の鳥籠 5 (フラワーコミックスアルファ)

読了日:8月19日 著者:篠原千絵
アジア新世紀〈6〉メディア―言論と表象の地政学アジア新世紀〈6〉メディア―言論と表象の地政学

読了日:8月28日 著者:
へるん先生の汽車旅行へるん先生の汽車旅行

読了日:8月30日 著者:芦原伸
ALDNOAH.ZERO アルドノア・ゼロ (1) (まんがタイムKRコミックス フォワードシリーズ)ALDNOAH.ZERO アルドノア・ゼロ (1) (まんがタイムKRコミックス フォワードシリーズ)

読了日:8月31日 著者:原作:OlympusKnights,作画:ピナケス

読書メーター

進撃の巨人(14)

今年8月現在で、シリーズ合計4,000万部を突破した大ヒットシリーズの最新刊。ついでにいえば、新刊書籍雑誌「ダビンチ」でも、42ページにわたってこのシリーズを取り上げているという。さて、どんな記事になっているのか?

連載当初は「人間Vs巨人」の対決の構図だったのに、いつの間にか「人間Vs人間」の対決になっている。話の流れが変わったのは、真相を究明しようという調査兵団の努力の賜なのだが、頼みの綱だったピクシスから連携を断れ、せっかく得た協力者も、謎の集団に抹殺され、彼らを抹殺しようという謎の集団の出現のために、調査兵団からも犠牲者が続出するなど、真相解明は困難を極める。連載開始から5年がたつのに、彼らには未だに希望の光すら見えない。果たして、すべての真相が明らかになるのはいつになるのか?冒頭から拷問シーンが延々と続き、暗殺者に顔を、頭を吹き飛ばされる調査兵団メンバーの姿は、ただただ「グロい」の一言である。

亜米利加ニモ負ケズ

卒業論文の執筆をきっかけに日本語に興味を持ち、23歳で来日して日本語学校に入学。そこで教材として使われていた作品を英訳したことをきっかけに日本語による文芸作品の制作を開始、今は詩・俳句・随筆執筆だけにとどまらず、ラジオの仕事にも積極的に関わるマルチ文芸人の最新文庫版。日本で作品を書く外国人はたまにいるが、彼ほど日本語を高度に駆使する人間は他にいるだろうか?この作品は、彼の中で日米の文化が高度に融合した結果生まれたものである。「ほほう」と思わせるところも「そうなの?」と思うところもあるが、一番印象に残ったのは、世界中で血眼になっている「宇宙開発」は、関係者の利権のためになされている、という見方。宇宙にロマンを感じている人にとっては、この発言はカチンとくるだろうな。====

夢の雫、黄金の鳥籠(5)

闇のパープルアイ」などの大ヒット作品で知られる篠原千絵の最新作の最新刊。16世紀のオスマン帝国最盛期の立役者・スレイマン1世とその王妃・ヒュッレムが主人公。もともとは別のマンガ目当てで書店に足を運んだのだが、帯のキャッチコピー「ヒュッレム懐妊」の文字が目にとまり、さんざん逡巡した末に購入。舞台はオスマン朝のスルタン・スレイマン1世の後宮(ハーレム)を舞台に、スルタンを巡る側室とその側近が繰り広げられる、ドロドロの愛憎劇。歴史物・韓流ドラマが好きな人は、すんなり入っていけるだろう。本巻で主人公はめでたく懐妊するが「お腹の子の父親は誰?」という問題が勃発する。スルタンが父親だったらめでたしめでたしなのだが、実は彼女はスルタンに内緒で、彼女を後宮に引き入れた人物と関係を持っていたのだ。もし彼が子どもの父親だったら?不安に思うのは本人だけではない。

アジア新世紀〈6〉メディア―言論と表象の地政学

2005年、岩波書店が発行した学術書「アジア新世紀」シリーズの1冊。タイトルこそ「メディア」という名前がついて入るが、本書では「メディア」以外にも建築、身体パフォーマンス、マンガ、美術なども取り上げているため、実際には「メディア」というより「カルチュアル・スタディーズ」色を前面に押し出していると思って間違いない。イスラム圏も「アジア」に含まれるはずなのだが、この地域を扱う論考はさほど多くなく、その意味ではやや看板倒れ。学術論文色が強いので、この分野に興味のある人以外はあまりお薦めではない。

へるん先生の汽車旅行

ラフカディオ・ハーン」こと「小泉八雲」の人生の軌跡を、実際に運行されている鉄道を使って辿ってみよう、という趣旨で執筆された紀行文。同時に、ハーンが来日前に歩んだ凄絶な人生に絶句。

母と生き別れ、父に捨てられ、大叔母の破産に巻き込まれる形で、不本意のまま渡ったアメリカ。

そこでは親戚に厄介払いされ、ホームレス同然の生活を送る。

記者として成功しかけるも、経営者と衝突を繰り返す。

同棲生活を経たにもかかわらず、破綻した結婚生活。

叶わぬ格差恋愛。

来日を決意したのも、ボロボロになった心身を立て直すものだった。そしてやっと掴んだ幸せ。

彼が日本文化を愛したのは、生まれ育った西洋文化、わけてもキリスト教に対する、拭い難い憎悪の感情があった。「神の前ではみな平等」といいながら、異文化に対して冷徹なキリスト教を、彼は許せなかったのだ。だが今の日本は、彼が思い描いている日本とは似ても似つかぬ姿になってしまった。天上の世界から、彼はどんな思いで今の日本を見つめているのだろう?

ALDNOAH.ZERO アルドノア・ゼロ (1)

今期、ネット上で話題になっている同名ロボットアニメのコミカライズ本。アニメ1~3話分を収録。アニメでの原作を忠実に再現しているが、アニメで触れられなかったオリジナルな場面が挿入されているわけではないので、アニメを見て気に入った人が読んでも、同じような感動を味わえるかどうかは疑問。その逆もまた然りで、画面構成を見て、アニメに興味を持ってくれる人がどのくらいるかどうか?アニメの迫力ある動きを、マンガで再現するには少々無理がある。ただし、原作には忠実に再現されているので「この場面はどんなことをいっているのか?」と気になる人、アニメの復習をしたいと思っている人にはお勧めしたい。

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2014年4月の読書リスト

2014年が始まって⅓を経過した。

そう、5月になったということである。

しかも、5月の声を聴いたとたんに「夏日」を記録した。地球は狂っている。

狂っているのは我が国の気候だけではないぞ。「内閣総理大臣」という名の「独裁者」様である。

消費税増税後のパフォーマンスに選んだ会場が「三越日本橋本店」ということ自体、この人の意識は庶民を向いていないことの証左である

(余談だが管理人は世紀末、三越日本橋本店近くの某ファストフードチェーンでアルバイトをしていた)。

国会そっちのけでオバマ大統領の来日「運動」にうつつを抜かし、それが一段落したと思ったら今年の「大型連休期間」中は、ヨーロッパには外遊ときた。中国・韓国両国との関係改善を差しおいてヨーロッパに行くこと自体が異常だと思うのだが、側近は誰も彼に諫言しない。

この国はいったいどこに向かおうとしているのか?

2014年4月の読書メーター

読んだ本の数:7冊

読んだページ数:1729ページ

ナイス数:2ナイス

僕たちはドクターじゃない (メディアワークス文庫 き 2-1)僕たちはドクターじゃない (メディアワークス文庫 き 2-1)

読了日:4月2日 著者:京本喬介
進撃の巨人(13) (講談社コミックス)進撃の巨人(13) (講談社コミックス)

読了日:4月11日 著者:諫山創
魔法科高校の劣等生 入学編 (4)(完) (Gファンタジーコミックススーパー)魔法科高校の劣等生 入学編 (4)(完) (Gファンタジーコミックススーパー)

読了日:4月16日 著者:佐島勤,きたうみつな
地球環境報告 (岩波新書)地球環境報告 (岩波新書)

読了日:4月19日 著者:石弘之
魔法科高校の劣等生 (3) (Gファンタジーコミックススーパー)魔法科高校の劣等生 (3) (Gファンタジーコミックススーパー)

読了日:4月20日 著者:佐島勤,きたうみつな
魔法科高校の劣等生〈1〉入学編(上) (電撃文庫)魔法科高校の劣等生〈1〉入学編(上) (電撃文庫)

読了日:4月20日 著者:佐島勤
統計学が最強の学問である統計学が最強の学問である

読了日:4月23日 著者:西内啓

読書メーター

僕たちはドクターじゃない

ラノベの世界でも「医学生」が主人公の作品が出てきたのかと、興味深く読んだ。

この作品、なかなか読ませる。

何よりも、登場人物が魅力的だ。

一番の常識人なのに、悲しいくらい不器用な(何しろ、買ってきたばかりのインスタントコーヒーの蓋を開けられない)主人公。

そんな主人公に変わり、手作業のすべてをやってあげ(ネクタイを整えることのも彼女の仕事だ!)、幼稚園かと思うほどだだっ子の赤毛の少女。

周囲もどん引きするくらいのロリコン。

手術狂で、やたらと手が出る少女。

そんな彼らの正体は「医学生」、しかも15~16歳くらいだというから驚く。

というのも彼がいる時代、医療業界のブラック化が止まらず、関係者は続々と退職に追い込まれててしまったために、現場は深刻な人員不足に陥った。政府はそれを補うために、優秀な児童(「学生」ではない)に医学教育を施し、ある程度の年齢(おそらく高校卒以上)になったら「医者」を名乗らせる、という政策をとっているのだそうだ。少子化と医者不足をシンクロさせた設定は現実感があり、見事としかいいようがない。会話のテンポも、物語の展開もいい。

著者はあとがきの中で「私はドクターじゃありません」と書いているが、専門用語、特に薬効について詳しい記述があることから、作者はおそらく医学生、もしくは医療関係の仕事についている人だと思われる。

進撃の巨人 第13巻

昨年のアニメ放映後もその勢いは止まらず、全巻累計発行部数が3,600万部を突破した、大ヒットマンガシリーズの最新刊である。

ようやくエレン奪還に成功した調査兵団だが、エルヴィン団長は片手を失い、エレンたちの心の支えだったハンネスら熟練の兵士を喪うなど、その代償はあまりにも大きかった。調査兵団のリヴァイ兵士長らは、エレンたち104期生をとあるところに匿い、反撃の機会を窺う。ところが事件のカギを握ると思われていたウォール教のニック司祭が、中央憲兵兵団の兵士らに虐殺されたことが、分隊長ハンジ・ゾエらの調査で発覚。彼の居場所は調査兵団関係者以外には知らなかったことから、中央政府の高官が絡んでいるとにらんだリヴァイらは、王都潜入作戦を決行する。一方104期生メンバーのクリスタはその名を捨て、元々の名前だったヒストリア・レイスを名乗ることを宣言し、自らのおぞましい過去を同期生に告白する。そして思わぬ事から明らかになる真相。物語は一転、国内の権力闘争へと変わり、調査兵団もその中に引き込まれることになる…====

魔法科高校の劣等生

魔法科高校の劣等生(1)

魔法科高校の劣等生 コミック版 入学式編(3)

魔法科高校の劣等生 コミック版 入学式編(4)

この4月から、鳴り物入りで始まったアニメ番組の原作本・コミック本であるが…

「面白いか?」といわれれば、はっきり言って「????」と思わざるを得ない。

設定はそれなりに面白いとは思っているが、この小説の最大の問題点は文体、そしてその世界観にある。

タイトルに「劣等生」とあるが、主人公は基本的に「魔法」が使えない(それも一般人から見れば、十分に使えるレベルであり、本人が「劣等生」と思っているのは、単に「学校側から見た評価」でしかない」だけで、世間一般から見れば十分に「エリート」である事、主人公の妹の、度を超えたブラコンぶり(二言目には「お兄様すごい!」のノリになって、正直うざいと感じることも)はまだ我慢できるとしても、地の文の文体はまるでPCか電化製品のマニュアルみたいで、正直言って読むのが苦痛だった。会話文のおかしな改行も目障りでしかない。

始めから終わりまで「俺ってすごいでしょ?」というノリ一辺倒で押し切られるので、日常生活に欲求不満を抱えている人間にはお勧めするが、微妙な心理描写とか、人間関係のあやを求める人にはお勧めできない。雑誌「ダ・ヴィンチ」2013年上半期BOOK OF THE YEAR2位になった作品ではあるが、その評価はネット上はもちろん、ラノベ好きの間でも評価は二分されている。

むしろ、この作品はコミックのほうが優れている。原作本は作者の表現力不足もあり、何のことことを説明しているのかさっぱりわからないことも多い。魔法の説明も「これを理解できるのは作者と、その信奉者だけでは?」と嫌みを言いたくなるほどダラダラとムダな説明が多く、読んでいてイライラすることも少なくないが、コミックでは必要最低限のことをコンパクトにまとめている印象を受ける。ただし、いくら「お化粧」したところで限界はあり、画面の至る所から「主人公マンセー!!!!」という雰囲気が滲み出るのは否めない。

地球環境報告

初版発行が1988年バブル期絶頂期、環境問題を訴える本が出たことに新鮮な驚きを覚えたことを覚えている。水俣病や四日市ぜんそく、イタイイタイ病の公害問題を経験していたとはいえ、今みたいに環境NGOの存在はほとんど見えず(この当時は、市民運動の世界でも「環境問題」は「知る人ぞ知る」だった)、もちろん「地球温暖化」で騒がれることがなかった時代に、それも大メディアの記者がかような問題に着目していることは評価されるべきだろう。この本を読んだきっかけは、学校のレポート提出の課題かなんかで取り上げられたからだが、知らなかったことばかりなので刺激を受けた。裏を返せば、大メディアの多くの記者は、これらの問題を知りつつ報道しなかったということであるし、その傾向は安倍政権になってから、ますます酷くなったような気がする。30年近く前、南北問題、森林問題について警鐘を鳴らしていたジャーナリストは、どのくらいいたのだろう?

統計学が最強が最強の学問である

2年前のビジネス書界を席巻したベストセラーの一つだが、受ける印象は前半と後半とで全く異なる。

前半は統計学の歴史についてわかりやすく解説しているのだが、後半は難解な理論ばかりを展開しているから、数学音痴には苦痛にしか感じられないだろう。

難解なのはしょうがない。だが問題は、著者にその難解な理論を読者に理解させようとする気が全くないこと。

「僕はこれだけ難しい理論を理解していますよ。どうです、みなさん!」

という姿勢が見え見えで、読めば読むほど頭が痛くなってきた。おまけに、なぜ「統計学が最強の学問」なのか、さっぱりわからない。統計学の歴史についてのみ触れていたら、読者に苦痛を与えることもなかっただろう。これは編集部の最大のミスである。

というわけで、この本は初心者には向かない。数学の理論展開に精通し、大学1年生程度の統計学の知識を備えている人向けの本である。ビジネスの場面で統計学の知識が必要なのは認めるが、ビジネス書として売り出すのなら、それ用にアレンジするべきだったのではないか?

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